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» 2014年07月24日 09時00分 UPDATE

自然エネルギー:地熱発電所を北海道と青森に建設、オリックスが2MW級

太陽光発電を中心に全国各地で再生可能エネルギーを拡大中のオリックスが地熱発電所の建設に向けて2カ所で調査を開始した。地熱資源が豊富な北海道の函館市と青森県の下北半島で、それぞれ発電能力が2MW程度の小規模な地熱発電所を建設する計画だ。

[石田雅也,スマートジャパン]

 2カ所の候補地のうち、青森県のプロジェクトは下北半島の北端に近い下風呂(しもふろ)温泉で実施する。すでにオリックスは2013年度にJOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)の助成金を受けて初期の地表調査を完了している(図1)。次のステップとして、地下にある地熱貯蔵層の位置や深度などを調べる物理探査を2015年2月まで実施する予定だ。

chinetsu_jogmec_sj.jpg 図1 2013年度の地熱資源開発の助成対象地域(画像をクリックすると拡大)。出典:JOGMEC

 もう1カ所の函館市のプロジェクトでも2014年度のJOGMECの助成金を受けることが決まっている。候補地の南茅部(みなみかやべ)地域は太平洋沿岸にあって、地域内にある第四紀火山の泣面山(なきつらやま)の周辺で調査を進める。2014年10月まで第1ステップの地表調査を実施した後に、その結果をふまえて青森県のプロジェクトと同様に物理探査に入る見通しだ。

 一般に地熱発電所を建設するまでには、地表調査から始めて掘削調査、調査井の掘削、生産井・還元井の掘削を経て、ようやく発電設備を設置する(図2)。発電能力が30MWを超えるような大規模な地熱発電所を運転開始するまでには10年以上かかる。ただしオリックスの地熱発電所は2MW程度の小規模なものを想定しているため、環境影響評価の必要もなく、早ければ2〜3年で運転を開始することが可能だ。

chinetsu_enecho_sj.jpg 図2 地熱発電を開始するまでの標準的なプロセス(画像をクリックすると拡大)。出典:資源エネルギー庁

 地熱発電では設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)が70%程度になり、再生可能エネルギーの中でも火力発電並みの高効率を発揮する。2MWの発電能力で一般家庭の電力使用量に換算して約3400世帯分の電力を供給することができる。

 オリックスは岐阜県の奥飛騨温泉郷でも同規模の地熱発電所の建設プロジェクトを東芝と共同で進めている。2013年11月に調査を始めていて、順調にいけば2015年内に運転を開始する。北海道と青森県の地熱発電所も2016年内には運転を開始できる可能性が大きい。

 金融サービス大手のオリックスは新たに環境エネルギー事業を拡大中で、全国各地でメガソーラーの建設を推進している。地熱発電ではグループ企業のオリックス不動産が、大分県の別府市で運営する「杉乃井ホテル」で1.9MWの自家発電設備を運転中だ(図3)。その運営ノウハウを新設の地熱発電所にも生かす。

chinetsu_suginoi_sj.jpg 図3 オリックスグループが運営する「杉乃井地熱発電所」。出典:オリックス

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