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» 2014年07月31日 09時00分 UPDATE

蓄電・発電機器:米国発のニューフェースは根付くか、100MW規模の太陽電池を国内へ (1/2)

エクソルとファースト・ソーラー・ジャパンは2014年7月、太陽電池モジュールについて年間100MWを目標とした供給取引契約を結んだことを発表した。国内に大量導入されたことがない「CdTe薄膜太陽電池」を扱う。高温や影に強い特性があり、従来の太陽電池の強敵となりうる能力を秘めている。

[畑陽一郎,スマートジャパン]

 世界市場での導入規模が累計8GWを超えている「CdTe薄膜太陽電池モジュール」が、国内市場にも広がりそうだ。同太陽電池モジュールを製造する米First Solarは、2013年11月に日本市場参入を発表(関連記事)しており、2014年7月には具体的な供給取引契約の公表に至った。

 供給取引契約を結んだのはエクソルとファースト・ソーラー・ジャパン。年間100MW分の供給を目標にしている。「エクソルと契約を締結するに至るまで、多数の太陽光発電関連企業と話をした。太陽光発電をFIT(固定価格買取制度)という短期的な視点で見ることなく、他のエネルギー源と同様、一般的なエネルギーとして育てていこうという思いが同社にはあった。これは当社の考え方と一致する。もう1つ、同社は薄膜太陽電池*1)に期待しており、当社の製品が当てはまった形だ」(ファースト・ソーラー・ジャパン日本責任者であるカール・ブルッツァート氏、図1)。

*1) エクソルは今回の太陽電池モジュールを国内に導入するに当たって、長期性能と耐久性が優れることを指摘している。IEC(国際電気標準会議)で規定された試験について、異なるサンプルに対する耐久信頼性試験や、1つのサンプルに対する耐久性試験に合格した最初で唯一の薄膜太陽電池技術だという。

yh20140731CdTe_MrBrutsaert_300px.jpg 図1 ファースト・ソーラー・ジャパンのカール・ブルッツアート氏

住宅の屋根にも適する

 エクソルは2014年夏から、まず産業用の太陽光発電所に今回の太陽電池モジュールを導入する。次いで2015年4月から住宅向けに販売する。どちらも同じモジュールを用いる。「新たに導入する太陽電池モジュールは、他の太陽電池モジュールよりも薄く、側面にフレーム(金属枠)を備えていない(図2)。産業用であれば設置の問題はあまりないものの、住宅用は別だ。日本の住宅向けに屋根材一体型モジュールとして提供するため、専用の金具などを開発する時間が必要だ」(エクソル)。

yh20140731CdTe_edge_590px.jpg 図2 新たに導入する太陽電池モジュールの側面の様子

 エクソルは太陽光発電に関する総合イベント「PV Japan 2014」(2014年7月30日〜8月1日、東京ビッグサイト)で、住宅用のCdTe薄膜太陽電池モジュールの設置例を展示した(図3)。

 図3に示したモジュールは、First Solarが「SERIES 4A」と呼ぶ小規模な産業用に適した製品*1)。図3では9枚設置されており、1枚当たりの出力は約110Wである。

*1) SERIES 4の寸法は1200mm×600mm(面積0.72m2)、厚さ6.8mm、重量12kgである。

yh20140731CdTe_roof_590px.jpg 図3 エクソルが展示したCdTe薄膜太陽電池モジュール。住宅の屋根への設置イメージ
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