アルミ架台で縦横無尽、農業用や追尾用も自然エネルギー(1/2 ページ)

茂山組は太陽光発電に関する総合イベント「PV Japan 2014」(2014年7月30日〜8月1日、東京ビッグサイト)において、太陽光発電システム用のアルミニウム製架台を複数見せた。農地用架台や追尾式架台などがあり、さまざまな工夫を凝らしていた。

» 2014年08月05日 11時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 茂山組は太陽光発電に関する総合イベント「PV Japan 2014」(2014年7月30日〜8月1日、東京ビッグサイト)において、太陽光発電システム用の架台を展示した。同社はアルミニウム製架台(アルミ架台)を専門に扱っている企業。

 主力製品として展示したのが農作物を植えた土地の上方に太陽電池モジュールを設置するための「農地用架台」(図1)だ。いわゆるソーラーシェアリング用の設備である。農地の形状などに従って、寸法にはある程度の幅を持たせている。基本モデルの場合、地面から架台を載せる平面までの高さは2m〜3m、奥行きは3m〜4m、幅は3m〜6mであり、幅方向の中央部に柱がある。太陽電池モジュールの設置角度は5度か10度。前後左右に同じ型の架台と連結する部分を備えており、規模の拡張がたやすい。

 「太陽電池モジュールを50kW搭載する規模の場合、(工事費用を含まない)架台のみの価格は出力1kW当たり5万2000円だ。この価格は太陽電池モジュールが日照を遮る面積を50%にとった場合。50%は標準的な遮光率だ。太陽電池モジュールをできるだけ多く搭載すると、遮光率は70%になり、単価は1kW当たり3万6000円になる」(茂山組)。農地用架台は販売時に最小単位があり、5kW分である。「農地用架台は前後左右に連結することでより強度が増すため、最小単位を設けている」(同社)。

 農地用架台はスクリュー杭の上にアルミ架台を載せて組み立てる架台であり、後ほど紹介する「ぱっと組み立てシステム」を採用している。つまり組み立てやすい。

図1 農地用架台の外観。屋根部分へ格子状に太陽電池モジュールを配置する

岡山大学と共同研究

 同社は岡山大学農学部とソーラーシェアリングに関して2014年4月から共同研究を進めており、大学キャンパス内には出力9.3kWのシステム(遮光率50%)が立ち上がっている(図2)。

 「葉物野菜や根菜などを栽培しており、収穫量の試験を進めている。中間結果によれば、収穫量には悪影響がなく差が出なかった。ソーラーシェアリングには思いがけない効果もある。例えば、日照がいくぶん少ないために水の蒸発量が少なくなることだ。日照よりも水が重要な作物の場合、収穫量が増えることがある」(同社)。

図2 岡山大学の事例。導入規模は出力9.3kW
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