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» 2014年08月06日 15時00分 UPDATE

蓄電・発電機器:モジュール間にはめ込んで異常を検知、太陽光発電所向け

太陽誘電は太陽光発電所向けの遠隔監視システムを太陽光発電に関する総合イベント「PV Japan 2014」(2014年7月30日〜8月1日、東京ビッグサイト)で展示した。配線工事を必要とせず、ストリング単位で電流と電圧を検知できることが特徴だ。

[畑陽一郎,スマートジャパン]

 太陽誘電は、太陽光発電所向けの遠隔監視システムを発表、太陽光発電に関する総合イベント「PV Japan 2014」(2014年7月30日〜8月1日、東京ビッグサイト)において詳細な内容を展示した。太陽電池モジュールが直列に接続された「ストリング」ごとの電流と電圧を監視し、出力低下を検知するためのシステムだ。

 「当社の施設では今回の装置を既に半年間動作させており、バイテックなどのEPC(設計・調達・建設)事業者が他社の3カ所以上の太陽光発電所に実証実験の形で設置済みだ」(太陽誘電)。2014年8月から装置の量産を開始する。「出力1MWの太陽光発電所に導入した場合の費用は300〜400万円だ。導入後には(わずかな通信費用などを除き)費用が掛からない」(同社)。

 同社の手法は、ストリングごとに小型の「子機(マネジメントユニット)」を1つ挿入し、2.4GHz帯の無線で子機の送信する情報を「親機(ストリングセンサユニット)」が受信、ユーザーに提供するというもの。導入先の太陽光発電所の機器構成に依存せず、異常を検知できる*1)

*1) 子機の検出電流範囲は0.5〜12.0A、検出電圧範囲は12〜50V。検出精度は±2%。なお、異常検出後は異常のあったストリングを切り離して、測定器などを利用、異常な太陽電池モジュールを特定する必要がある。

yh20140806Yuden_hardware_400px.jpg 図1 発電所内に設置する親機(右)と子機(左)

 図1に子機と親機の外観を示した。子機は太陽電池モジュール同士を結ぶケーブルの間に直結できるようになっている。子機は太陽電池モジュールが発電した電力の一部(最大0.5W)を使って動作するため、別途、通信線や電力線の配線工事の必要がない。内蔵電池も不要だ。「子機は結束バンドで太陽電池モジュールに止めて設置すればよい」(太陽誘電)。

yh20140806system_400px.jpg 図2 太陽光発電所に設置したシステムの全体像(クリックで拡大)

 設備導入後の太陽光発電所のシステム構成を図2に示す。太陽光発電所の接続箱や集電箱、パワーコンディショナー(PCS)には手が入っていない。親機(MU)も発電所からは独立している。唯一、子機(SSU)だけが各ストリングに挿入されている。

 親機1台が管理できる最大子機数は350。子機間でマルチホップ通信が可能であるため、子機同士の間隔が20m以内であれば、直接親機と通信ができない位置にも子機を設置できる。複数の子機がバケツリレーのようにデータを親機に集約する形だ。

 親機と通信用のルータをイーサネットで接続し*2)、顧客が社内に設置するローカルサーバにデータを蓄積する。「クラウドサービスを使わないため、情報を内部に保ちやすい」(太陽誘電)。ユーザーがWebブラウザを用いて発電所の状況を監視している様子(デモ)を図3に示した。図3では各ストリングの電流値を見ている。

*2) ローカルサーバが親機にアクセスする際に必要なソフトウェアは太陽誘電が提供する。

yh20140806Yuden_display_590px.jpg 図3 ユーザーがWebブラウザを利用して発電所の状況を表示しているところ

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