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» 2014年08月07日 09時00分 UPDATE

自然エネルギー:地域密着の木質バイオマス発電所、岩手と徳島で2016年に相次いで運転開始へ

森林の保護と林業の活性化を両立させる木質バイオマス発電所の建設計画が相次いで始まる。日本紙パルプ商事が岩手県の野田村で、クラボウが徳島県の阿南市で、それぞれ地元の林業から木質バイオマスの供給を受けて発電事業に取り組む。いずれも2016年4月に運転を開始する予定だ。

[石田雅也,スマートジャパン]

 岩手県の北部に位置する野田村は太平洋に面していて、東日本大震災からの復興を進めている地域の1つである。近隣の市町村を含めて森林資源が豊富にあり、地域で発生する間伐材などを利用した再生可能エネルギーの導入は復興にも役立つ。

 日本紙パルプ商事が野田村に建設するバイオマス発電設備は14MW(メガワット)の発電能力で、年間に14万トンにのぼる木質チップを燃料として利用する計画だ。間伐材などの未利用木材に加えて、樹皮やパームヤシ殻も併用する。地元の野田村森林組合をはじめ岩手県内の森林事業者が供給元になる。

 年間の発電量は9648万kWhを見込んでいて、一般家庭で2万6800世帯分の電力を供給することができる。野田村の総世帯数(約1650世帯)の16倍に相当する。発電した電力は全量を売電する予定で、年間の売電収入は約26億円になる見通しだ。2016年4月に運転を開始する。

 全国には木質バイオマスの豊富な地域は多く、大都市圏を除く広い範囲に間伐材など未利用の資源が分布している(図1)。東北では岩手県のほかに青森県や秋田県に森林資源が多く存在する一方、四国では森林の比率が大きい徳島県と高知県が有望な地域である。

nedo_mokushitsu_sj.jpg 図1 市町村別の木質バイオマス(間伐材)の賦存量。緑色が濃いほど賦存量が大きい。出典:NEDO

 徳島県東部の阿南市に繊維工場があるクラボウは、工場内の遊休地を利用して木質バイオマス発電事業に乗り出す。地元の木材事業者から間伐材などを利用した木質チップの供給を受けて、2016年4月に発電を開始する予定だ。

 発電規模は6.2MWで、年間の発電量は4000万kWhを見込んでいる。一般家庭で1万1000世帯分の電力使用量になり、阿南市の総世帯数(約3万世帯)の3分の1をカバーすることができる。クラボウは自社で開発したボイラーに蒸気タービンを組み合わせて発電設備を建設する。自社の工場で性能を実証して、設備の拡販につなげる狙いもある。

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