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» 2014年09月08日 11時00分 UPDATE

電力供給サービス:世界最高水準の石炭ガス化プロジェクト、熱効率を46%へ高める (1/2)

日本が世界に誇る石炭火力発電の進化が続いている。NEDOとJ-POWERが共同で取り組んできた「石炭ガス化複合発電」では、現在の石炭火力発電で最高レベルの熱効率46%を達成できることを確認した。さらにCO2分離・回収技術や燃料電池を組み合わせた実証プロジェクトも始まっている。

[石田雅也,スマートジャパン]

 「石炭ガス化複合発電(IGCC:Integrated coal Gasification Combined Cycle)」は、ガス火力発電で最先端のコンバインドサイクル方式を石炭に応用した発電技術である。J-POWER(電源開発)が北九州市の研究所で試験を続けてきた「EAGLEパイロットプラント」のプロジェクトが6月に終了して、その成果を広島県で建設中の実証試験発電所へ引き継ぐ。

 EAGLEパイロットプラントはJ-POWERがNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)と共同で2002年度から取り組んできたプロジェクトで、IGCCを採用した出力8000kWの発電設備のほかに、CO2分離・回収設備を併設している(図1)。このプラントでは石炭からガスへ転換できる発熱量の比率(冷ガス効率)を世界最高の82%まで高めることに成功した。

jpower2_sj.jpg 図1 「EAGLEパイロットプラント」の外観(2011年時点)。出典:J-POWER

 冷ガス効率82%の石炭ガス化設備をコンバインドサイクル発電設備と組み合わせると、火力発電の熱効率(発熱量を発電量に転換できる割合)は46%を達成できる見通しだ。一般的な石炭火力発電の熱効率は36%前後、最新鋭の設備でも41%程度で、IGCCによって石炭から電力を作る効率が大幅に向上する(図2)。

jpower1_sj.jpg 図2 石炭火力発電の高効率化と低炭素化。出典:J-POWER

 さらに将来の石炭火力発電に欠かせないCO2分離・回収の技術面では、「化学吸収法」と「物理吸収法」の2方式を実施して効率を改善した。化学吸収法はアルカリ性の水溶液を使ってCO2を回収するのに対して、物理吸収法はガスに圧力をかけた状態でCO2を液体に吸収させる。パイロットプラントでは物理吸収法の効率が化学吸収法を上回った。

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