Googleが1億4500万ドルを出資、寂れた油井が82MWのメガソーラーに自然エネルギー(1/2 ページ)

米SunEdisonは2014年9月、建設中の大規模太陽光発電所「Regulus Solar Plant」に対し、米Googleから1億4500万米ドルの出資を受けたと発表した。面積300万m2、出力82MWの発電所が2014年内にも完成する。

» 2014年09月19日 07時00分 公開
[畑陽一郎スマートジャパン]

 米SunEdisonは2014年9月、建設中の大規模太陽光発電所「Regulus Solar Plant」に対し、米Googleからエクイティファイナンス*1)の形で1億4500万米ドルの出資を受けたと発表した。同社はシリコンウエハーや太陽電池セル、同モジュールを製造するとともに、太陽光発電所の企画、設計・調達・建設(EPC)、管理・運営(O&M)も手掛けている。

*1) エクイティファイナンスとは新株発行を伴う資金調達法をいう。エクイティ(株主資本)が増加するため、このように呼ぶ。SunEdisonにとっては返済期限の定めのない資金調達法である。

図1 カリフォルニア州と発電所の位置

 Regulus Solar Plantは、米カリフォルニア州カーン郡に立地する発電所(図1)。セントラルバレーの最南部に当たり、ベーカーズフィールドから東南東に約11km離れている。

 太陽光発電所としては奇妙な立地でもある。現場には最盛期に30の油井(ガス井)があり、原油を汲み上げていた。枯渇後は農地などにも使われておらず、放置されていた土地を利用した形だ。1辺が約800m(2分の1マイル)に区切られた正方形の土地区画を5つ利用し、そのうち298万m2に太陽電池モジュールを設置中だ。

 図2は建設中のRegulus Solar Plantを上空からほぼ西を向いて撮影した写真だ。周囲の土地は全て1区画約65haの正方形の形状をしていることが分かる。中央で横に並ぶ3区画とすぐ左上の2区画を発電所に使う。全区画にSunEdisonの単結晶シリコン太陽電池モジュールを合計24万8000枚設置する。

図2 建設中のRegulus Solar Plantの外観 出典:Google

予定よりも遅れた大規模計画

 SunEdisonは2011年から今回の発電所の許認可などの手続きを開始している。当初の計画では2013年第1四半期から第3四半期にかけて300万m2の土地に太陽電池モジュールを75MW分設置し、2014年1月に運転を開始するはずだった。しかし、計画は遅れた。着工は2013年12月、2014年内の運転を予定している。規模が多少計画よりも拡大し、完成時の出力は82MWとなる予定だ。

 Regulus Solar Plantで発電した電力は米South California Edisonに対して20年間、PPA(電力購入契約)に基づいて売電する。

 SunEdisonは今回の発電所の企画、EPC、O&Mを全て自社で進めており、完成後は発電所を子会社のTerraForm Powerが所有する形をとる。TerraForm Powerは既に808MWの発電所資産を所有し、今回のプロジェクトはその10%に相当する計算だ。

 太陽光発電はITとは無関係だ。なぜ、Googleはこのような発電事業に投資するのだろうか。理由は2つある。

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