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» 2015年03月24日 07時00分 UPDATE

自然エネルギー:洋上風力と波力発電を首都圏で、千葉県が導入可能量を2015年度に調査

自然の資源が限られる首都圏にあって、海洋エネルギーの豊富な千葉県が導入可能量の調査を2015年度に開始する。対象は洋上風力発電と波力発電の2つだ。千葉県の太平洋沿岸は風況が良く、波力の強い海域も広がっている。導入可能量を明らかにして、地域ぐるみで開発計画を促進していく。

[石田雅也,スマートジャパン]

 千葉県の太平洋沿岸は東京都の中心部から100キロメートル圏内にあり、電力需要が旺盛な市場に近い恵まれた立地にある。特に海洋エネルギーが豊富で、洋上風力発電と波力発電のポテンシャルが大きいことがわかっている。陸地から近い海域でも年間の平均風速は毎秒7.5メートル以上になるほか、波のエネルギーも発電に十分な量を見込むことができる(図1)。

chiba1_sj.jpg 図1 洋上風力発電と波力発電のポテンシャル。出典:千葉県商工労働部

 千葉県は2015年度から洋上風力と波力の導入可能量の調査に乗り出すことを決めた。2015年度に県の予算2000万円を確保して、「海洋再生可能エネルギー導入・産業創出研究事業」を開始する。沖合の海域で発電量などの算定に必要なデータを取得して導入可能量を示す。2016年度には市町村や事業者と連携しながら、開発計画を促進していく計画だ。

chiba4_sj.jpg 図2 銚子沖の洋上風力発電設備。出典:鹿島建設

 千葉県で最も東側にある銚子市の沖合では、国内で初めての洋上風力発電の実証試験が2013年に行われている。発電能力が2.4MW(メガワット)の大型風車を着床式で設置して、約8カ月間にわたって試験運転を続けた(図2)。

 その結果、平均風速は毎秒7.3メートルに達して、設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)は洋上風力の標準値(30%)に近い29.7%を記録した。さらに銚子市から南側にある片貝漁港では、1988〜1996年に波力発電の実証試験を実施したことがあり、発電コストが40円/kWh程度になることを確認している。

 ただし周辺海域は漁業が盛んなことに加えて、海上の交通量も多く、そうした海域を避けて発電設備を展開していく必要がある(図3)。千葉県では新たに調査を実施して海洋再生可能エネルギーの導入可能量を公表したうえで、地域の理解を深めることから取り組んでいく。

chiba2_sj.jpg 図3 千葉県の太平洋沿岸の状況。出典:千葉県商工労働部

 2016年度からは導入に前向きな市町村や事業者を支援する施策を進める一方で、事業者による環境影響調査などを中立的な立場で分析できるようにする方針だ。漁業を含めて地域の産業と共存共栄できる海洋再生可能エネルギーの導入を目指す(図4)。

chiba3_sj.jpg 図4 海洋再生可能エネルギーの導入イメージ。出典:千葉県商工労働部

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