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» 2015年10月08日 13時00分 UPDATE

自然エネルギー:てんぷら油を回収して25世帯分の電力に、リサイクルでCO2削減 (1/2)

宮城県内で7割以上の世帯が加入する「みやぎ生活協同組合」は新たにバイオディーゼル燃料による発電設備を導入した。店舗で回収したてんぷら油をろ過して作ったSVO(植物油)を利用する。年間に約3万リットルのSVOを消費して電力購入量とCO2排出量の削減に役立てる。

[石田雅也,スマートジャパン]

 みやぎ生活協同組合(みやぎ生協)は2010年から、家庭で使い終わったてんぷら油を店舗で回収して、バイオディーゼル燃料(BDF)を精製して宅配用の車両などに利用してきた(図1)。さらにBDFよりも環境負荷の低いSVO(Super Vegetable Oil、植物油)を燃料に使って9月30日から発電を開始した。

miyagi_coop1_sj.jpg 図1 てんぷら油の回収ボックス。出典:みやぎ生活協同組合
miyagi_coop2_sj.jpg 図2 バイオディーゼル燃料で稼働するコージェネレーションシステムの実証試験機。出典:ヤンマー

 導入した発電設備はヤンマーエネルギーシステムのコージェネレーション(熱電併給)システムで、約1年間かけてSVOを燃料に使った実証試験を続けてきた(図2)。発電能力は25kW(キロワット)ある。みやぎ生協によると、SVOを利用した発電設備の導入は日本で初めての試みになる。

 宮城県内にあるリサイクルセンターに発電設備を導入して、1日に10時間、年間に364日の稼働を想定している。年間の発電量は9万1000kWh(キロワット時)になる見込みだ。一般家庭の電力使用量(年間3600kWh)に換算して25世帯分に相当する。

 発電した電力はリサイクルセンター内で消費するほか、発電時に生まれる熱を殺菌処理に利用する。従来はBDFを燃料に使って蒸気ボイラーで殺菌処理してきたが、今後は発電時の熱を利用できるために蒸気ボイラーを使わずに済む。リサイクルセンターでは店舗や事業所から排出する各種の廃棄物を回収後に、減容・圧縮処理などを施して原料や燃料に再資源化している(図3)。

miyagi_coop4_sj.jpg 図3 廃棄物の回収から再資源化までの流れ(画像をクリックすると拡大)。出典:みやぎ生活協同組合

 てんぷら油(廃食油)はメタノールなどを加えればBDFを精製することができる。ただし精製時に副産物としてグリセリンが生じるために洗浄が必要になる。一方のSVOは廃食油をろ過して作った純正の植物油で、精製時の洗浄が不要なことを含めてBDFよりも環境負荷が低いとみなせる。

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