小売電気事業者に石油最大手のJX、オリックスや三井物産も登録電力供給サービス

家庭向けに電力を販売できる小売電気事業者の登録数が早くも50社を超えた。石油元売り最大手のJX日鉱日石エネルギーをはじめ、金融大手のオリックス、総合商社の三井物産が11月6日に審査を通過した。再生可能エネルギーの電力を中心に販売する事業者の登録も増えている。

» 2015年11月06日 16時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]

 小売電気事業者の適格性を審査する電力取引監視等委員会が新たに8社の登録を認めた(図1)。2016年4月から首都圏で家庭向けの電力小売サービス「ENEOSでんき」を開始するJX日鉱日石エネルギーのほか、すでに企業向けで電力の供給実績があるオリックス、洸陽電機、三井物産も小売電気事業者になる。

図1 小売電気事業者の審査を通過した8社(2015年11月6日)。出典:電力取引監視等委員会

 これまでに48社が小売電気事業者の登録を完了していて、新たに審査を通過した8社を加えて合計で56社になった。電力取引監視等委員会によると、審査済みの56社を含めて11月5日までに118件の登録申請が出ている。このほかに自営の送電線を利用する「小売供給」の申請が2件ある。

 登録が決まった8社の中では、東京都世田谷区を拠点に事業を展開する「みんな電力」のビジネスモデルがユニークだ。太陽光発電を中心に再生可能エネルギーの地産地消を推進しながら、バイオマスや小水力など供給力の安定した電源から電力を調達して販売する(図2)。当面は東京電力の管内で小売事業を展開していく。

図2 「みんな電力」のビジネスモデル。出典:みんな電力

 西日本ではバイオマスの利用が活発な岡山県真庭市の「真庭バイオエネルギー」が小売電気事業者になる。真庭市では2015年4月に地域の間伐材などを燃料に利用する木質バイオマス発電所が運転を開始している(図3)。真庭バイオエネルギーも発電所の株主になっていて、バイオマスによる電力の供給を受けて地域で販売する予定だ。

図3 「真庭バイオマス発電所」の全景。出典:銘建工業

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