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» 2015年12月08日 11時00分 UPDATE

太陽光:パネル掃除や断線検査をロボットで、太陽光設備の運用保守を低コストに (1/2)

太陽光発電設備のメンテナンス手法の1つとして、ロボットの活用に注目が集まっている。人手によるメンテナンスコストを削減できるなどのメリットがあるからだ。先日開催された「2015 国際ロボット展」では、複数の太陽光パネルのメンテナンスロボットが披露された。

[陰山遼将/長町基,スマートジャパン]

 再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)の開始以降、日本国内への導入が一気に拡大した太陽光発電設備。一方で導入量の増加に従い、建設時の施工瑕疵や自然災害によるトラブルも発生している。こうした安全面での課題に加え、売電事業を開始した事業者は今後十数年にわたって発電設備を運用する必要もあり、発電設備の運用保守の重要性はさらに高まってく見通しだ。

 しかし遠隔地に設置した発電設備や大量の太陽光パネルを、人の手でメンテナンスするコストは大きい。そこでこうした作業を人に代わって行うロボットに注目が集まっている。先日開催された「2015 国際ロボット展」(2015年12月2〜5日、東京ビッグサイト)では、太陽光パネルのメンテナンスを行うロボットが複数披露された。

火災にもつながる断線を無人検査、2015年中に実用化へ

 アトックスは長岡技術科学大学、産業技術総合研究所、戸上電機製作所(同社の共同研究参加期間は2013年度)と共同開発を進めている太陽光パネルのインターコネクタ(IC線)を無人検査できるロボットを展示した(図1)。アトックスは福島第一原子力発電所の除染作業に携わってきた企業で、その中で培ったロボット技術のノウハウを活用している。

rk_151207_robot01.jpg 図1 アトックスが展示した無人検査ロボット(クリックで拡大)

 展示したロボットの外形寸法は480×627×207ミリメートルで、モジュール設置角度は30度まで対応できる。モジュールの大きさを事前に入力すると、ロボットが自律走行しながら、搭載したセンサーでIC線の導通性などの状況を検査していく。IC線が熱による収縮や風圧・積雪などの外圧によって損傷した場合、火災などの原因につながる可能性があるという。

 ロボットは画像処理によってモジュールの表面認識して自律走行する。モジュールの端まで進んだ場合は、その場で自動的に回転し、方向転換できる機構を備えた(図2・3)。これにより人手で方向を変える必要もなく、自律走行による効率の良い検査が可能になっている。

rk_151207_robot02.jpgrk_151207_robot03.jpg 図2・3 独自の回転機構により、その場で方向転換できる(クリックで拡大)

 アトックスでは今後、一度に検査できるセル数を増やすなどの改良を進め、2015年度中には運用保守サービスとして展開したい考えだ。「最初はアトックスの作業員がこのロボットを使って点検を行うサービスとして提供する予定。将来、ロボットの性能がさらに高まればレンタルなども検討していく」(ブース担当者)。

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