神奈川県と電力の効率的利用をサポートするエナリスおよびエナリスの子会社、湘南電力の3者は、神奈川県内の電力の地産地消を連携して進めることを目指してこのほど協定を締結した。
電力の地産地消における協定は、神奈川県とエナリス(本社=東京都千代田区)、湘南電力(本社=神奈川県平塚市)が連携し、神奈川県内の電力の地産地消推進事業を積極的に進めることを目的とする。
具体的には以下の4つの点に取り組んでいく(図1)。
神奈川県は、「原子力に過度に依存しない」「環境に配慮する」「地産地消を推進する」という3つの原則からなる「かながわスマートエネルギー計画」を掲げ、自立型のエネルギーの需給調整を図る分散型エネルギーシステムの構築を目指している(関連記事)。その基本政策の一つである「地域の特性を生かしたスマートコミュニティーの形成」実現のため、県内の分散型電源から電力を調達し、県内の需要家に供給する新たな地域電力供給システムの構築を進めてきた。
エナリスは、電力を効率的に利用すると同時に、新しい産業や新規雇用を生み出し地域経済の活性化につながる“電力の地産地消”に着目し、積極的に取り組んでいる。その一環として、湘南地域を本拠地に活躍するJ1所属のプロサッカークラブ「湘南ベルマーレ」と共同で、湘南地域で生まれた電力を湘南地域に供給することを目指す新電力「湘南電力」を、2014年9月に設立。
湘南電力が、太陽光発電事業者などから再生可能エネルギーを優遇価格で調達し、高圧の需要家へ現状より安い価格で電力を供給する一方で、需要家のエネルギーマネジメントや需給管理などをエナリスが行い、湘南電力の事業をバックアップしている。また、湘南電力は、利益の一部を湘南ベルマーレなどが湘南地域で行う地域貢献活動へ還元し、地域の活性化に役立てている。
なお、湘南電力とエナリスは、2015年9月に神奈川県の「地域電力供給システム整備事業」の採択を受け、補助事業終了後も継続して協力し合うことを確認していた。
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