ニュース
» 2016年01月28日 09時00分 UPDATE

自然エネルギー:急がれる太陽光発電と風力発電の安全対策、定期検査制度の導入も (1/2)

2013年から2015年にかけて、全国各地で太陽光発電と風力発電の事故が相次いだ。政府は安全対策を徹底するため、発電設備に対する定期検査制度の導入や保安規制の強化に乗り出す。特に事故が頻発している風力発電に対しては2017年度から定期検査制度を適用する方針だ。

[石田雅也,スマートジャパン]

 2015年9月に北関東で発生した鬼怒川(きぬがわ)の決壊では、川の近くにあった太陽光発電設備の損壊によって被害が拡大したことは記憶に新しい。その直前の8月には九州を襲った台風15号の影響で、メガソーラーの太陽光パネルが飛散して近隣の住宅を損壊する被害が発生している(図1)。

anzen4_sj.jpg 図1 太陽光発電設備の損壊事故の例。九州の台風被害(左)、鬼怒川の決壊被害(右)。出典:資源エネルギー庁

 経済産業省が九州の台風被害の状況を調査したところ、管内に約3000カ所ある事業用の太陽光発電設備のうち81件が被害を受けていた。その中の約4割で太陽光パネルの脱落・飛散が発生している。特に被害が多かったのは発電能力が500〜2000kW(キロワット)の中規模の太陽光発電設備で、設計基準を満たしていないケースも少なくなかった。

 一方の風力発電設備では2013年に風車の落下事故が4カ所で発生したほか、直近では2015年12月に福井県の「あわら北潟発電所」で風車の落下事故が発生している。稼働中の9基の風車のうち1基が落雷を受けた後に、3枚の翼の2枚が折れ曲がり、1枚は地上に落下した(図2)。

anzen7_sj.jpg 図2 「あわら北潟発電所」の風車落下事故。出典:ジェイウインド

 この風車の製造元は大手メーカーの日本製鋼所である。同社の製品は2013年4月に落下事故を起こした三重県の「ウインドパーク笠取」でも使われていた(図3)。事故の原因は風車の機械部品の材質に問題があったことによる。摩耗した機械部品が風車を制御できなくなり、強風を受けて異常な回転速度を生じた。部品レベルの定期検査を実施していれば事故を防げた可能性がある。

anzen6_sj.jpg 図3 「ウインドパーク笠取」の風車落下事故。出典:シーテック

 京都府の「太鼓山風力発電所」で2013年3月に発生した風車の落下事故も甚大だった。6基の風車のうち5基に亀裂が入り、その中の1基は発電機を含めて丸ごと地上に落下してしまった(図4)。製造元はオランダのラガウェイ社で、強風を受けた風車が金属疲労によって破損したものと考えられている。

anzen5_sj.jpg 図4 「太鼓山風力発電所」の風車落下事故。出典:京都府文化環境部
       1|2 次のページへ

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.