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» 2016年02月05日 15時00分 UPDATE

電力供給サービス:市民電力や生協が続々と小売電気事業者に、再生可能エネルギーを家庭へ (1/2)

小売電気事業者に21社の登録が新たに認められて、事業者数は合計で169社に拡大した。その中でも再生可能エネルギーによる電力の地産地消を目指す自治体や生協の参入が目立つ。自治体では鳥取市と福岡県みやま市、生協では東京都と兵庫県の事業者が家庭向けにも電力を販売する計画だ。

[石田雅也,スマートジャパン]

 電力取引等監視委員会は2月5日に小売電気事業者の登録審査を実施して、21社を適格と認定した(図1)。すでに登録を完了した小売電気事業者を含めて169社に拡大する。申請中の事業者を加えると280社に達している。

touroku_20160205_sj.jpg 図1 小売電気事業者の審査を通過した21社(2016年2月5日)。出典:電力取引監視等委員会

 新たに登録を認められた小売電気事業者の顔ぶれを見ると、ガス会社が5社を占めるほか、キヤノン、凸版印刷、トヨタ自動車といった有力企業グループからの参入が活発に始まった。さらに目を引くのが地域特化型の事業者で、自治体が出資する会社が2社、生協グループが2社含まれている。

 鳥取市が鳥取ガスと共同で設立した「とっとり市民電力」は、新電力で大手の伊藤忠エネクスと提携して安定供給体制を整備する(図2)。地域の再生可能エネルギーを中心に電力を調達しながら、不足分を伊藤忠エネクスのバランシンググループと呼ぶ共同調達の仕組みでカバーする体制だ。

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touroku_tottori1_sj.jpg 図2 「とっとり市民電力」の電力供給体制(上)、鳥取市のエネルギー地産地消による町づくりの構想(下)。出典:とっとり市民電力、伊藤忠エネクス、鳥取市

 市の公共施設から電力の供給を開始して、徐々に家庭や民間企業へ対象を広げていく。鳥取市では地域の農林水産業と連携したエネルギーの地産地消を推進する構想を掲げている。電力や熱などのエネルギーと合わせて生産物や資金を循環させることで、地域社会を活性化させる狙いがある。

 同様の取り組みは福岡県みやま市でも進んでいる。みやま市は2015年4月に地元の金融機関などと共同で「みやまスマートエネルギー」を設立して、11月から市の公共施設を中心に電力の供給先を拡大してきた(図3)。小売電気事業者に登録が決まり、2016年4月から家庭にも電力を販売する予定だ。

touroku_miyama_sj.jpg 図3 福岡県みやま市が推進する電力事業。出典:みやまスマートエネルギー

 自治体が設立した市民電力の中では、すでに大阪府の泉佐野市による「泉佐野電力」、岡山県の真庭市による「真庭バイオエネルギー」の2社が小売電気事業者に登録した。鳥取市と福岡県みやま市を加えて4社になり、今後も増え続けることは確実だ。

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