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» 2016年02月10日 09時00分 UPDATE

電力供給サービス:火力発電所の新設・廃止を加速、電気事業者36社がCO2削減へ協議会 (1/2)

電力会社を中心に36社の電気事業者が新たに協議会を設立した。CO2排出量を2030年度までに35%削減する目標に向けて、各事業者が毎年度の計画と実績を協議会に提出して実施状況を確認する。環境省が求める電力業界の自主的な枠組みに相当するもので、火力発電所の新設・廃止が進む。

[石田雅也,スマートジャパン]

 2月8日に「電気事業低炭素社会協議会」(略称:ELCS、The Electric Power Council for a Low Carbon Society)が発足した(図1)。国内の発電電力量の大半を占める電力会社10社と電源開発(J-Power)のほか、東京ガスと大阪ガス、エネットをはじめ新電力の大手で構成する。電力業界が掲げる2020年度と2030年度のCO2(二酸化炭素)削減目標を達成することが目的だ。

teitanso1_sj.jpg 図1 「電気事業低炭素社会協議会」の概要。出典:電気事業連合会ほか

 電力業界の目標は2030年度のCO2排出量を2013年度比で35%削減する。そのために電力1kWh(キロワット時)あたりの排出量を0.37kg-CO2(CO2換算キログラム)に抑制する必要がある。震災前の2010年度は0.35だったことから、原子力発電所を全面的に稼働させれば達成可能だが、もはや逆戻りはない(図2)。火力発電所の効率改善が急務になる。

teitanso4_sj.jpg 図2 電気事業のCO2排出量・排出係数(画像をクリックすると拡大)。注釈は省略。出典:電気事業連合会

 協議会では各事業者がCO2削減に向けた取組計画を策定して、実施状況をPDCAで評価する仕組みを導入する(図3)。PDCA(Plan-Do-Check-Action)は計画をもとに事業をスピーディに実行しながら、結果を評価して次の計画に反映させる手法である。協議会は評価した結果を経済産業省と経団連(日本経済団体連合会)に報告したうえで公表する予定だ。事業者の実施状況が十分でない場合には取組計画の見直しを求める。

teitanso9_sj.jpg 図3 電気事業低炭素社会協議会と会員事業者によるPDCAサイクル。出典:電気事業連合会ほか

 電力業界が新たに協議会を設立した背景には、CO2排出量の削減を主管する環境省からの強い要請があった。国の削減目標を正式に決定した2015年7月以降、環境省は石炭火力発電所の新設計画に対して「是認できない」との姿勢を貫いている。石炭火力は他の発電方式に比べてCO2排出量が多いためで、新設する前に電力業界全体でCO2削減に取り組む枠組みを設けるように再三にわたって要求してきた。

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