小売電気事業者が200社を突破、契約変更は早くも14万件を超える電力供給サービス(1/2 ページ)

ついに小売電気事業者の登録数が200社に達して、全面自由化が始まる4月1日までに300社を上回ることが確実になった。すでに家庭などの利用者が小売電気事業者に対して電力会社からの契約変更を申し込んだ件数は14万件を突破した。地域特化型の小売電気事業者も増え続けている。

» 2016年02月24日 09時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]

 全国で7.5兆円の規模がある家庭向けの電力市場に参入が相次いでいる。小売電気事業者の登録審査を担当する電力取引監視等委員会は2月19日に31社を新たに適格と認定した(図1)。これで小売電気事業者の登録数は合計で200社に達した(審査を通過した日本ロジテック協同組合が2月24日に申請を取り下げたため199社に減少)。

図1 小売電気事業者の審査を通過した31社(2016年2月19日)。出典:電力取引監視等委員会

 さらに102社が申請中で、ほぼすべての事業者が4月1日までに登録を完了する見込みだ。合わせて300社以上が電力市場にひしめく状況になる。

 すでに登録を済ませた小売電気事業者の販売も活発に進んでいる。電力会社から小売電気事業者に契約を変更する「スイッチング」を仲介する電力広域的運営推進機関によると、2月12日までに小売電気事業者が申し込んだスイッチング件数は14万件にのぼった(図2)。

図2 小売電気事業者から電力会社に対するスイッチング申込件数(2016年2月12日時点)。出典:電力広域的運営推進機関

 その中でも市場規模が大きい東京と関西が大半を占めていて、東京電力が9万件、関西電力が4.5万件のスイッチングの申し込みを受けている。さらに4月1日に向けて申し込みが加速していくことは確実だ。自由化が始まる時点では、スイッチング件数が全国で50万件を超えている可能性が大きい。

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