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» 2016年05月06日 09時00分 UPDATE

電力供給サービス:太陽光発電の出力制御が頻繁に発生、種子島で早くも今年10回目 (1/3)

九州電力は4月29日に鹿児島県の種子島で、今年10回目になる太陽光発電の出力制御を実施した。島内の需要が小さくなる日に太陽光発電の供給力が過剰になることを回避するための措置だ。実際に出力制御が必要な状況は発生しているものの、需要と供給力の想定方法などに課題が残る。

[石田雅也,スマートジャパン]

 離島の多くは本土と送電線がつながっていないために、電力の需要と供給のバランスを島内で調整する必要がある。電力の供給源は火力発電と再生可能エネルギーの2種類を組み合わせるが、太陽光発電設備が増えてきたことで晴天の日には供給力が需要を上回ってしまう場合がある。そうした状況が想定される時には、電力会社は太陽光発電設備の出力を抑制するように事業者に対して指示を出すことが可能だ。

 九州電力が1年前の2015年5月5日に鹿児島県の種子島(たねがしま)で実施した出力制御が国内で初めての事例だ。さらに2016年に入ると2月に1回、3月に5回、4月に4回の合計10回も出力制御の指示が出ている。特に4月29日(金)に実施した出力制御の規模は2880kW(キロワット)にのぼり過去最大だった(図1)。島内の太陽光発電の出力の3割近くに相当する。今後さらに種子島で出力制御の規模が拡大することは確実である。

図1 種子島で2016年4月29日に実施した出力制御の概要。出典:九州電力

 しかし本当に出力制御が必要だったのか。国全体の電力の需給調整を担う電力広域的運営推進機関(略称:広域機関)が出力制御の妥当性を検証する任務を負っている。種子島で2016年3月に実施した5回の出力制御の検証結果を1カ月後の4月28日にまとめて公表した(図2)。その中で需要と供給力の想定方法に現実的でない点もあり、今後に向けて改善すべき課題が残されている。

図2  種子島で2016年3月に実施した出力制御の実施状況。出典:電力広域的運営推進機関

 5回のうち太陽光発電の出力抑制量が最大だった3月20日(日)の状況を詳しく見てみよう。九州電力は当日の需要を直近の基準日の実績をもとに想定した。基準日は2〜3週間以内で気象条件が類似した2月28日(日)を選んだ。需要が最大になる夜19時と最小になる深夜2時の状況を想定しながら、太陽光発電の出力が最大になる昼間13時の需要も予測する手法である(図3)。

図3 2016年3月20日(日)の需要の想定。出典:電力広域的運営推進機関

 ここで問題になるのは太陽光発電の出力が最大になった場合に、供給力が需要を上回ってしまう可能性が生じることだ。電力が過剰に供給されると送電線を流れる電力が不安定になり、最悪の場合には停電が発生する。こうした状態を回避するためには、主力の電源である内燃力(ディーゼル)による火力発電設備の出力を抑えて需給バランスをとらなくてはならない。

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