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» 2016年06月27日 09時00分 UPDATE

スマートアグリ:採算改善進む植物工場、LED制御技術が成否のカギ (1/2)

環境に影響を受けずに作物の生産ができる植物工場。採算性が大きな課題だとされてきたがLED照明技術の進化や、生産ノウハウの蓄積などで徐々に改善が進んでいる。展示会「植物工場・スマートアグリ展」での出展内容を紹介する。

[長町基,スマートジャパン]

 気象変動や土壌、害虫の影響を受けることがなく、安定して野菜などを栽培・収穫できる植物工場は次世代農業として期待が高まってきている。採算面で課題が残るといわれるが、最近では建設業や電機関連の大手企業からの参入も見られ、今後の市場拡大が見込まれる。

 2016年6月15〜17日に東京ビッグサイトで開催された展示会「植物工場・スマートアグリ展」にも、関連企業が主力製品や技術を紹介し、国内外の来場者から注目を浴びていた。

独自技術SHIGYOで実績を伸ばす昭和電工

 LED素子メーカーの昭和電工は、植物育成用LED照明を用いた植物工場システムの販売および高速栽培法S法(SHIGYO法)の栽培技術サポートを行っている。今回の展示会でも、植物工場システム、S法を中心とした栽培研究成果、S法で栽培した野菜などおよび、工場建設から栽培指導、販売ノウハウの提供に至るまでの一気通貫のサポート体制をアピールした。

 同社独自の高速栽培法S法は蛍光灯・LEDでの通常の栽培方法と比べ、出荷サイクルが短縮でき、収穫量が増加するという。また、電気代も蛍光灯に比べて半分程度となるなどのメリットがある。この栽培技術に用いられるLED照明SHIGYO灯は光合成用赤色LED(波長660ナノメートル)と青色LED(同450ナノメートル)を組み合わせた植物育成用のLED照明。大型植物工場システム「SHIGYOファクトリー」は、このLED照明と、低コスト・高品質・安定生産を実現させるために開発した栽培ユニットのSHIGYOユニットおよび養液循環装置などで構成されている。

 昭和電工では規模や予算に最適な工場設計から建設、栽培、運用に至るまでの充実したサポート体制を整えて、事業拡大を目指す。ここまで倉庫を改装したり廃校を利用したりした植物工場へ同システムを導入するなど徐々に実績も伸びてきているという(図1)。

photo 図1 昭和電工は、高速栽培法S法(SHIGYO法)をアピールした
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