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» 2016年07月07日 09時00分 UPDATE

電力供給サービス:ごみ発電と太陽光発電を地産地消、首都圏の2都市が共同で電力小売に乗り出す (1/2)

千葉県の成田市と香取市が共同で地域電力会社を設立した。両市が運営する再生可能エネルギーの発電設備を生かして、市内の公共施設に電力を供給する計画だ。ごみ発電と太陽光発電の電力を地産地消しながら、売電収入の増加と電力コストの削減で財政的なメリットを引き出していく。

[石田雅也,スマートジャパン]

 成田市と香取市は小売電気事業者の洸陽電機と共同で、地域電力会社の「成田香取エネルギー」を7月5日に設立した(図1)。出資比率は成田市と香取市が40%ずつ、洸陽電機が20%で、本社は香取市内に置く。2つの市が共同で電力小売に乗り出すのは全国で初めてのケースになる。

図1 「成田香取エネルギー」の電力調達・販売イメージ(画像をクリックすると周辺地域も表示)。出典:成田市、香取市、洸陽電機

 新会社の電力事業は再生可能エネルギーの地産地消を推進することが最大の目的だ。成田市が運営する清掃工場のごみ発電による電力と、香取市が5カ所に展開する太陽光発電の電力を調達して両市の公共施設に供給する(図2)。ごみ発電と太陽光発電で供給力が足りない分は、洸陽電機が別の太陽光発電所や卸電力市場から調達するスキームである。

図2 エネルギー地産地消の事業スキーム(画像をクリックすると拡大)。JEPX:日本卸電力取引所。出典:成田市、香取市、洸陽電機

 10月から公共施設に電力の供給を開始する予定で、年間の販売量は1726万kWh(キロワット時)を見込んでいる。一般家庭の電力使用量(年間3600kWh)に換算すると4800世帯分に相当する。成田香取エネルギーに参画した洸陽電機は4月から家庭向けの小売事業を全国で開始している。その業務ノウハウを生かして新会社の電力需給管理を実施していく。

 成田市と香取市は電力の小売を通じて財政面のメリットも引き出す方針だ。両市が運営する発電設備の電力を従来よりも高い単価で新会社が買い取る。その一方で公共施設に販売する電力の単価は電力会社よりも低く抑える。こうして売電収入を増やすと同時に電気料金を削減する。合わせて地域内の経済が循環して活性化にも役立つ。

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