京都に行けばMIRAIを運転できる、全国初の有料カーシェアリング開始電気自動車(1/2 ページ)

京都市は水素エネルギーの普及に向けて燃料電池車「MIRAI」の有料カーシェアリング事業を開始した。民間のレンタカー会社に委託して、京都駅に近い店舗で3台を2017年3月まで貸し出す。利用料金はハイブリッド車と同程度で、水素の燃料代は走行距離1キロメートルあたり15円に設定した。

» 2016年08月18日 09時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]

 次世代のエコカーとして注目を集めるトヨタ自動車の燃料電池車「MIRAI(ミライ)」だが、当初は車両価格が高くて生産台数も少ないため、実際に運転できる機会は限られる。そのチャンスが京都に行けば広がる。京都市が8月10日から3台のMIRAIを有料で貸し出すカーシェアリング事業を開始した(図1)。

図1 有料カーシェアリング事業の対象車両(画像をクリックすると拡大)。出典:京都市環境政策局

 京都市は2016年3月に市民を対象に、3台のMIRAIによるカーシェアリングのモニター制度を実施して導入効果を検証した。新たに有料で一般に貸し出すことで、観光地・京都に水素エネルギーを普及させる今後の計画につなげる狙いだ。燃料電池車を使った有料のカーシェアリング事業は全国で初めての試みになる。

 このサービスは京都市から委託を受けたレンタカー会社のタイムズモビリティネットワークスが2017年3月24日まで提供する予定だ。京都駅の南口から徒歩5分の距離にあるタイムズ社の店舗で3台のMIRAIを貸し出す(図2)。店舗に電話するか専用のウェブサイトで3カ月先までの予約を受け付けている。

図2 燃料電池車の貸出場所。出典:京都市環境政策局

 利用料金は6時間までが9000円で、トヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」と同等の水準に設定した。ただし車両の返却先は貸し出した店舗1カ所に限られる。返却時に水素の補給は不要だが、走行距離1キロメートルあたり15円の燃料代がかかる(図3)。直近のガソリン代(京都市内では1リットル120円前後)と比較して割高になる。目新しいMIRAIを体感できるプレミアムと考えるべきか。

図3 利用料金と水素燃料代。出典:タイムズモビリティネットワークス
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