固定価格買取制度の電力が増え続ける、5月に過去最大の1850万世帯分を供給自然エネルギー(1/2 ページ)

再生可能エネルギーの電力の買取量が2016年5月に最高記録を更新した。月間で55億kWhに達し、一般家庭の使用量に換算して1850万世帯分になった。太陽光に加えて中小水力やバイオマスの発電量が増えている。下水などの廃棄物からバイオガスを生成して発電する設備が各地で運転を開始した。

» 2016年09月20日 15時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]

 資源エネルギー庁が集計した最新のデータによると、2016年5月の1カ月間に固定価格買取制度で買い取った電力量は55億5894万kWh(キロワット時)にのぼった(図1)。一般家庭の使用量(月間300kWh)に換算すると1853万世帯分に相当する。過去最高だった2016年4月の49億kWhを大幅に上回り、前年5月の41億kWhから1年間で34%増えている。

図1 固定価格買取制度による再生可能エネルギーの導入・買取・認定状況(2016年5月時点。画像をクリックすると拡大)。各欄の下段の数字は前月比。バイオマスは燃料の比率を反映。出典:資源エネルギー庁

 5月は1年の中で太陽光発電の効率が最も高くなって買取量も多くなる。2016年5月には全体の78%を太陽光発電が占めた(図2)。一方で太陽光と違って天候の影響を受けにくいバイオマス発電も拡大して買取量の10%を供給している。このほかに風力発電が8%、中小水力発電が4%の比率になった。

図2 月間の買取電力量の推移(画像をクリックすると拡大)。単位:万キロワット時。資源エネルギー庁の公表データをもとに作成

 国全体の発電量を見ると、電力会社を中心とする電気事業者が2016年5月に発電した電力量の合計は649億kWhだった。火力発電が81%で、水力(揚水式を含む)が14%、水力を除く再生可能エネルギーが3%、原子力が2%である。

 再生可能エネルギーの発電量は18億kWhだが、この中に含まれない固定価格買取制度の電力が40億kWh程度あるとみられる。国全体の発電量のうち、水力を加えた再生可能エネルギーの電力の比率が2割を超える水準まで高まってきた。

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