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» 2016年09月27日 13時00分 UPDATE

IT活用:火力発電所にもIoTの波が押し寄せる、東京電力がGE製のシステムを導入 (1/2)

世界の産業界に急速に広がるインターネットによる大量データ処理技術「IoT」が日本の大規模な火力発電所にも広がろうとしている。東京電力が米ゼネラルエレクトリックと共同で、千葉県で運転中の国内最大のLNG火力発電所にIoTを活用した設備管理システムを導入する計画だ。

[石田雅也,スマートジャパン]

 東京電力が米ゼネラルエレクトリック(GE)と共同でIoT(Internet of Things:モノのインターネット)の技術を導入するのは、東京湾岸に展開する「富津(ふっつ)火力発電所」である(図1)。火力発電事業を担当する東京電力フュエル&パワー(東京電力FP)がGE製のIoTシステムを導入して、発電設備の効率改善や信頼性の向上に取り組む。

図1 「富津火力発電所」の全景(上)、設備構成(下)。出典:東京電力フュエル&パワー

 富津火力発電所はLNG(液化天然ガス)を利用した火力発電所では国内最大で、発電能力は504万kW(キロワット)に達する。運転を開始した順に1〜4号系列に分かれていて、IoTを導入するのは最新鋭の4号系列である(図2)。1基あたり50.7万kWの発電設備3基で構成する。

図2 「富津火力発電所」の4号系列。高くそびえる煙突の右下に並ぶ3基。出典:東京電力フュエル&パワー

 GE製のIoTシステムは「Predix(プレディックス)」と呼ぶ製品だ。発電設備などから収集した大量のデータを処理して性能向上や故障検出に利用できる。富津火力発電所ではPredixの機能のうち「アセット・パフォーマンス・マネジメント(APM)」から導入していく。APMを使って発電機のタービンに設置した多数のセンサーからデータを収集して運転状況を監視できる(図3)。

図3 IoTを活用した大量データ処理システム「Predix」の概要(画像をクリックすると拡大)。出典:ゼネラルエレクトリック

 さらにAPMのほかにもPredixが提供する各種のデータ処理・分析機能を活用する。IoTを使って火力発電所を効率的に運用する「デジタル・パワー・プラント」の日本初の試みとして発展させる方針だ。

 富津火力発電所で実証したノウハウを生かして、他社にもサービスを提供して発電事業の拡大につなげていく。「国内外の火力発電所に対するソリューション・サービスをIoTで提供して、新たなビジネス領域に挑戦する」(東京電力FPの佐野敏弘社長)。

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