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» 2016年10月12日 11時00分 UPDATE

電力供給サービス:石炭火力発電所で国内初のCO2回収・利用へ、必須アミノ酸の製造に生かす (1/2)

愛媛県で稼働中の石炭火力発電所にCO2分離・回収設備を導入する国内初のプロジェクトが始まる。発電所の排気ガスから回収したCO2を、近隣の工場で必須アミノ酸の製造に利用する計画だ。2018年6月に運転を開始して、年間に4.8万トンにのぼるCO2を回収・供給する。

[石田雅也,スマートジャパン]

 国を挙げてCO2(二酸化炭素)の排出量削減に取り組む中で、火力発電所から排出するCO2を回収・貯留・利用できる設備の普及が大きな課題になっている(図1)。国が支援する実証プロジェクトが全国各地で進んでいるが、いち早く民間企業による商用レベルのCO2回収・利用計画が愛媛県で動き出した。

図1 「CO2回収・貯留・利用」の主な取り組み(画像をクリックすると拡大)。出典:資源エネルギー庁

 愛媛県の新居浜市を中心に発電事業を展開する住友共同電力が、主力の火力発電所にCO2分離・回収設備の導入を決めた。2008年に稼働した「新居浜西火力発電所」の3号機に、発電後の排ガスからCO2を分離・回収する設備を併設する計画だ。2018年6月に運転を開始して、回収したCO2を同地区に立地する住友化学の工場に供給する(図2)。

図2 住友共同電力が新居浜地区で運転する発電所・変電所と近隣の住友グループ。出典:住友共同電力

 新居浜西火力発電所の3号機は石炭と木質バイオマスを混焼して、周辺地域に立地する住友グループ各社に電力と蒸気を供給している(図3)。発電能力は15万kW(キロワット)にのぼる。木質バイオマスを燃料に加えることで年間に1万トン前後のCO2排出量の削減効果を生み出しているが、新たにCO2分離・回収設備を導入して年間に4万8000トンのCO2を生産・利用できる見込みだ。

図3 「新居浜西火力発電所」の3号機(左)、蒸気供給配管(中央)、木質チップヤード(右)。出典:住友共同電力
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