日本最大の太陽光発電所に1枚目のパネル、合計89万枚の設置作業が始まる自然エネルギー(1/2 ページ)

瀬戸内海の沿岸に広がる岡山県・瀬戸内市の塩田の跡地で、日本最大の太陽光発電所の建設工事が運転開始に向けて最終段階に入った。265万平方メートルの用地に架台の設置工事が進み、太陽光パネルの取り付け作業が始まった。これから1年以上かけて89万枚の太陽光パネルを設置していく。

» 2016年10月13日 13時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]

 発電能力が230MW(メガワット)に達する日本最大のメガソーラーになる「瀬戸内Kirei太陽光発電所」の1枚目の太陽光パネルが10月4日に設置された。用地を所有する瀬戸内市の武久顕也市長が取り付け作業に参加して、合計89万枚にのぼる太陽光パネルの設置工事が始まった(図1)。

図1 瀬戸内市長による1枚目の太陽光パネル取り付け作業。出典:瀬戸内Kirei未来創り

 「瀬戸内Kirei太陽光発電所」は瀬戸内海に面した広大な塩田の跡地に、自然と共生するメガソーラーを目指して2012年に着手した(図2)。総事業費1100億円を投じて2018年6月に試運転を開始する予定で、年間に2億5000万kWh(キロワット時)を超える電力を供給できる見込みだ。一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算して7万世帯分に相当する。瀬戸内市の総世帯数(3万8000世帯)の約2倍に匹敵する電力になる。

図2 「瀬戸内Kirei太陽光発電所」の建設地と完成イメージ。出典:瀬戸内Kirei未来創り

 メガソーラーの建設工事は2014年11月に着手した。これまで約2年間かけて、塩田の跡地を利用するうえで必要な排水路の整備をはじめ、動植物を保護するためのハビタット(生息地)の造成、排水ポンプの増設や非常用発電設備といった周辺部分の工事を実施してきた(図3)。並行して太陽光パネルの基礎と架台の工事を進めながら、いよいよ最終段階のパネルの設置作業に入った。

図3 建設工事の進捗状況と今後の予定。出典:瀬戸内Kirei未来創り

 全体で500万平方メートルの広さがある塩田跡地のうち、建設用地は約半分の265万平方メートルを占める。太陽光パネルを設置する面積は230万平方メートルで、現在は平坦な用地に架台がずらりと並んだ状態だ(図4)。今後1年以上かけて89万枚のパネルを設置していく。

図4 架台の設置作業を完了した現地の状況。出典:瀬戸内Kirei未来創り
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