木質バイオマス発電の勢いが加速、1カ月間で15万kW分が認定自然エネルギー(1/2 ページ)

全国で木質バイオマス発電の開発プロジェクトが急速に拡大している。2016年7月の1カ月間に固定価格買取制度の認定を受けた発電設備は15万kWにのぼった。特に海外からパームヤシ殻を輸入して燃料に利用するケースが増えている。火力発電に代わってCO2を排出しない安定した電力源になる。

» 2016年11月15日 11時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]

 資源エネルギー庁がまとめた2016年7月末時点の再生可能エネルギーの導入・買取・認定状況を見ると、バイオマス発電の増加が際立っている。固定価格買取制度の認定を受けたバイオマス発電設備は1カ月間で15万kWも増加した(図1)。運転を開始した発電設備も6万kW増えて、太陽光発電に次ぐ導入量になっている。その多くは木質バイオマスを燃料に利用する発電設備である。

図1 固定価格買取制度による再生可能エネルギーの導入・買取・認定状況(2016年7月時点。画像をクリックすると拡大)。各欄の下段の数字は前月比。バイオマスは燃料の比率を反映。出典:資源エネルギー庁

 発電した電力の買取量でもバイオマスの比率が高まってきた。7月の買取量は再生可能エネルギー全体で47億kWh(キロワット時)に達した(図2)。このうち太陽光発電が住宅用と非住宅用を合わせて77%を占めるが、バイオマス発電も13%に増えている。そのほかは風力発電が6%、中小水力発電が4%である。

図2 月間の買取電力量の推移(画像をクリックすると拡大)。単位:万キロワット時。資源エネルギー庁の公表データをもとに作成

 1年のうち太陽光発電の買取量が最大になる5月と比べると、バイオマス発電の比率は7月に2ポイント上昇している。太陽光の買取量が70億kWhも減少したのに対して、バイオマス発電は天候に関係なく安定していて1500万kWh増加したためだ。同じ7月には風力発電と中小水力発電の買取量も5月と比べて減少した。

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