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» 2017年01月25日 13時00分 UPDATE

蓄電・発電機器:火力より安価、太陽光+大型蓄電池 (1/2)

離島に太陽光発電所を建設した場合、昼間の需要を全て満たす規模に達した段階で、増設が難しくなる。これを解決する技術として蓄電池に期待が集まっているものの、コスト高になる可能性があった。ハワイ州カウアイ島では、大規模太陽光と大型蓄電池を組み合わせつつ、1キロワット時当たり11セント(約12円)で電力を供給する計画を進めている。

[畑陽一郎,スマートジャパン]

 「大規模太陽光発電所と大型蓄電池を組み合わせることで、ハワイ州などの認可後、2018年末までには1キロワット時(kWh)当たり11セントで電力を供給できる」。これはカウアイ島ユーティリティ協同組合(KIUC:Kauai's Island Utility Cooperative)の社長兼CEOであるDavid Bissell氏が、2017年1月10日に発表した資料における発言だ。

 カウアイ島はハワイ諸島の北西の端に近い離島。ハワイ島、マウイ島、オアフ島に次いで4番目に大きい。面積は1430平方キロメートルであり、これは大阪府の4分の3、東京23区の2倍強に相当する。人口は約6万5000人。

 平たんな島ではない。多雨によって山岳地帯は激しい浸食を受けており、映画「ジュラシックパーク」のロケ地に選ばれたほどだ(図1、図2)。山岳によって利用可能な土地が制限されている。

図1 カウアイ島の海岸 出典:skeeze氏(pixabay)
図2 カウアイ島の土地利用状況(農林業) 農林業に適さない土地が多い。薄緑が牧草地、黄緑が森林(林業)、シアンが採種栽培、茶色がコーヒー栽培 出典:ハワイ州農務省

AESが蓄電池を供給

 KIUCはハワイ州で唯一の協同組合方式の電力事業会社であり、後ほど紹介するように意欲的な事業目標を掲げている。

 KIUCが今回のプロジェクトにおいて電力購入契約(PPA)を結んだ相手は、米AES Distributed Energy(AES DE)、電力大手の米AESの子会社だ。

 AES DEがプロジェクトを所有し、事業を運営する。事業の中核となるのは太陽光発電所と蓄電池システムだ。

 出力28メガワット(MW)の太陽光発電所を島の南端に近い砂糖プランテーションの跡地に建設、20MW×5時間の容量を備える蓄電池システムと組み合わせる*1)。「太陽光+蓄電池」としてはハワイ州最大規模。蓄電池システム単独でも世界有数の規模だという。

*1) 2016年末の時点で、カウアイ島には出力10.5MWに相当する蓄電池システムが導入済みだ。一部を米Solarcityと協力して実現した。今回の計画で出力を一気に3倍に高める形となる。

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