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» 2017年01月26日 09時00分 UPDATE

自然エネルギー:太陽光からバイオマスまで続々と運転開始、全国で1カ月に60万kW

固定価格買取制度の認定を受けて運転を開始した発電設備の規模が2016年9月に60万kWに達した。太陽光を中心に風力・中小水力・バイオマス発電の導入量が着実に伸びている。全国各地で発電設備が増加したことに伴って、再生可能エネルギーによる電力量は前年の1.4倍に拡大した。

[石田雅也,スマートジャパン]

 資源エネルギー庁がまとめた再生可能エネルギーの導入状況によると、2016年9月に運転を開始した発電設備は全国で60万kW(キロワット)にのぼった(図1)。太陽光発電が住宅と非住宅を合わせて52万kWと多く、バイオマス発電が6万kW、風力発電が2万kW、中小水力発電が1万kWの規模で続く。

図1 固定価格買取制度による再生可能エネルギーの導入・買取・認定状況(2016年9月時点。画像をクリックすると拡大)。各欄の下段の数字は前月比。バイオマスは燃料の比率を反映。出典:資源エネルギー庁

 特にバイオマスと風力で大規模な発電設備が運転を開始している。バイオマスでは北海道の北東部で、オホーツク海に面した港の一角に「紋別バイオマス発電所」が稼働した(図2)。周辺地域の間伐材などを燃料に使って、発電能力は50MW(メガワット)に達する。現時点で日本最大の木質バイオマス発電所である。

図2 「紋別バイオマス発電所」の全景。出典:紋別バイオマス発電

 この地域で100年前の1917年から山林を経営してきた住友林業が、グループの住友共同電力と新会社を設立してバイオマス発電所を運営する。年間の発電量は3億kWh(キロワット時)を見込み、一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算して8万3000世帯分の電力を供給できる。紋別市の総世帯数(1万2000世帯)の7倍に相当する。

 風力発電では宮崎県の五ヶ瀬町(ごかせちょう)で「中九州大仁田山(おおにたやま)風力発電所」が運転を開始した。標高1300メートルの大仁田山の尾根に沿って8基の大型風車が稼働中だ(図3)。発電能力は合わせて16MWになる。

図3 「中九州大仁田山風力発電所」の全景。出典:ジャパン・リニューアブル・エナジー

 年間の発電量は4100万kWhを想定している。1万1000世帯分に相当する電力量で、五ヶ瀬町の総世帯数(1300世帯)の9倍に匹敵する規模だ。全国24カ所に再生可能エネルギーの発電所を展開しているジャパン・リニューアブル・エナジーが初めて開発した風力発電所である。

 中小水力発電は島根県や熊本県で導入量が拡大した。島根県では西部の江津市で、発電能力が1500kWの水力発電所が稼働している。熊本県では内陸部の五木村(いつきむら)と御船町(みふねまち)に、3240kWと1604kWの水力発電所が運転を開始した。

 全国各地で再生可能エネルギーの発電設備が相次いで稼働した結果、固定価格買取制度で買い取った電力量も大幅に増えている。2016年9月の買取量は48億kWhにのぼり、前年9月の33億kWhから1.4倍に拡大した(図4)。

図4 月間の買取電力量の推移(画像をクリックすると拡大)。単位:万キロワット時。資源エネルギー庁の公表データをもとに作成

 4〜9月の6カ月間の累計では306億kWhに達して、同様に前年度と比べて1.4倍の規模になっている。再生可能エネルギーの種類別では、太陽光発電の買取量が78%で最も多く、次いでバイオマス発電が11%、風力発電が7%、中小水力発電が4%を占める。中でも天候の影響を受けないバイオマス発電の買取量が安定して増えた。

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