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» 2017年02月20日 09時00分 UPDATE

自然エネルギー:新設の水力発電所で最大級、2万世帯分を超える電力 (1/2)

新潟県の山岳地帯で大規模な水力発電所の建設計画が進んでいる。100メートルを超える水流の落差を生かして、発電能力は2万7500キロワットに達する。隣には80年以上も運転を続ける古い水力発電所があり、既設の取水設備を共有して効率化を図る。運転開始は2022年4月を予定している。

[石田雅也,スマートジャパン]

 北陸電力グループの黒部川電力が新潟県の糸魚川市(いといがわし)に水力発電所を新設する。日本海へ流れる姫川(ひめかわ)の上流から水を取り込み、5キロメートル下流の発電所まで導水路で水を供給する方式だ(図1)。最大で毎秒30立方メートルにのぼる水量を利用して、100メートルを超える落差で発電する。

図1 「新姫川第六発電所」の建設位置(画像をクリックすると周辺地域を表示)。出典:黒部川電力

 黒部川電力が計画中の「新姫川第六発電所」の発電能力は2万7500kW(キロワット)に達する。ダムを使わない水路式で新設する発電設備の中では国内で最大級である。2018年7月に着工して、2022年4月に運転を開始する予定だ。年間の発電量は8650万kWh(キロワット時)を見込んでいる。一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算して2万3600世帯分に相当する。糸魚川市の総世帯数(1万7500世帯)をはるかに上回る。

 建設予定地の隣では、同じ黒部川電力の「姫川第六発電所」が83年前の1934年から運転を続けている(図2)。発電能力は2万6000kWで、新設する発電所よりもわずかに低い。新旧2つの発電所は川から水を取り込む取水設備を共有する。そこから発電所までの導水路などを新設して、従来と比べて合計で2倍以上の電力を供給する計画だ。発電所の建屋のほかに、山の中腹には導水路とつながる水槽や水圧管路が同じように並ぶ。

図2 「新姫川第六発電所」の完成イメージ(画像をクリックすると拡大)。出典:黒部川電力

 姫川は長野県の小谷村(おたりむら)の山岳地帯から渓谷を流れてくる(図3)。上流は標高が2000メートルを超える豪雪地帯で、冬には雪が降り、春から秋にかけては大量の雨が降る。川の水量は年間を通して豊富だ。これまでは1つの水力発電所で使っても相当量が余っていた。黒部川電力は2014年から周辺地域の環境調査と土木調査を実施して水力発電所の新設計画を決めた。

図3 山岳地帯を流れる姫川。「姫川第六発電所」の建屋と水圧管路が右下に見える。出典:黒部川電力
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