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» 2017年02月23日 07時00分 UPDATE

電力供給サービス:電気料金を電力会社より15%安く、楽天が取引先に提供 (1/2)

楽天はグループの取引先を対象に、年間の電気料金を15%割り引くキャンペーンを開始した。複数の小売電気事業者を組み合わせて料金を削減する「iシェアリングサービス」の新規加入者に提供する。利用者が購入した1kW分の料金を森林整備に生かしてバイオマス発電の燃料も増やす。

[石田雅也,スマートジャパン]

 楽天は2月21日に小売電気事業者の登録手続きを完了して、電力の小売事業に本格的に参入する意向を明らかにした。その第1弾として企業向けの電気料金を削減する「iシェアリングサービス」の新規加入者を対象に、電力会社の標準料金から15%割り引くキャンペーンを6月まで実施する(図1)。

図1 「iシェアリングサービス」の利用者向けメッセージ。出典:楽天

 第1弾の割引キャンペーンは楽天グループの取引先に限定して提供する。北陸と沖縄を除く全国8つの地域で、契約電力が500kW(キロワット)未満の高圧を利用している場合が対象になる。楽天が全国各地に展開するネット通販や旅行サービスなどの事業基盤を生かして、電力の小売事業を一気に拡大する戦略だ。

 楽天は企業向けに2013年から「iシェアリングサービス」を提供している。サービスを利用する企業は地域の電力会社と新電力の双方と契約を結んだうえで、楽天が最適な組み合わせで電力を調整しながら電気料金を削減する(図2)。電気料金の請求・支払も楽天が取りまとめて処理するため、利用者は面倒な手間をかけずに済む。

図2 「iシェアリングサービス」による電力の最適化の仕組み。出典:楽天

 こうした電力のサービス形態を「部分供給」と呼び、国が規定する「適正な電力取引についての指針」で認められている。電力会社が一定量のベース電力を供給しながら、需要の変動部分を新電力が供給するパターンが一般的だ(図3)。契約電力を低く抑えることができるため、毎月の基本料金を削減できるメリットがある。

図3 複数の小売電気事業者から電力の供給を受ける「部分供給」の利用イメージ。出典:楽天

 楽天は「iシェアリングサービス」の顧客拡大を通じて、各地域の森林整備を支援する「楽天の森」の活動資金も増やしていく。サービスで生まれる利益の中から、利用者ごとに1kW分の料金を支援金に回す仕組みだ(図4)。この支援金を使って森林の間伐などを進め、森林の保全と動植物の保護につなげる。

図4 森林整備活動を支援する「楽天の森」に電気料金の一部を拠出。出典:楽天

 「楽天の森」の対象には島根県の森林が含まれていて、間伐した木材を使ったバイオマス発電も始まっている。「iシェアリングサービス」の利用者は「楽天の森」の活動支援に加わっていることをウェブサイトなどで告知できる(図5)。

図5 支援金の活用イメージ(左)、利用施設の掲載エンブレム(右)。出典:楽天
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