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» 2017年10月13日 07時00分 公開

IT活用:水道にもスマートメーターを導入へ、神戸市で検針自動化の実証実験

水道にもスマートメーターを活用する実証実験が神戸市で始まる。工業用水の検針を自動化して、運用の効率化を図る狙いだ。

[長町基,スマートジャパン]

 NTT西日本、ミライト・テクノロジーズ(大阪市)および神戸市水道局は、水道スマートメーターとLPWA(Low Power Wide Area)を利用した工業用水における自動検針の実用化に向け、技術・業務運用検証の共同フィールドトライアルを実施すると発表した。

 水道事業では現在、設備の老朽化による更新費用の増大や職員の高齢化に伴う技術継承といった課題が山積みだ。その対応策として、設備・業務の効率的運用が求められており、双方向のネットワーク機能などを持つ水道スマートメーターやIoT/M2Mに適した省電力・長距離の通信を実現する省電力広域無線通信であるLPWAネットワークなどのIoTの活用が全国で注目を集めている。

 こうした背景の中、2016年度に神戸市内の上水道をフィールドとした水道スマートメーターの技術検証では、無線でデータを収集するには障害物が多い土中、水没環境下などでも、280MHz帯のLPWAを使用することでメーター情報が良好に取得できることを確認した。

 一方で、工業用水は効率的な安定供給が求められており、利用者からもリアルタイムに使用水量を把握したいというニーズがある。また、現在は目視で使用水量の検針を行っており、効率化が課題となっている。

 3者はこれらの状況を踏まえ、今回工業用水に実証フィールドを移し、実験基地局を2基に増設してさらなる技術及び業務運用への効果を検証するなど、実用化に向けた共同フィールドトライアルを実施することとした。

 実証では神戸市内の工業用水契約企業のうち、2017年度に交換を予定している一部の水道メーターをスマートメーターに更新。検針から料金調定までの実運用を想定した実験を行うことで、水道事業の業務フローを検証するとともに、運用面で発生する課題を明確にする。さらに、遠隔検針システムの導入及び運用・保守に必要となる技術情報を体系的にまとめ、水道スマートメーターの本格導入を目指す。

実証の概要 出典:NTT西日本

 今回のトライアルでNTT西日本はトライアルの全体管理のほか、ネットワーク中継サーバー、アプリケーションサーバーの提供、スマートメーターを活用した際の水道業務設計支援・コンサルティングなどを行う。

 ミライト・テクノロジーは実験試験局(280MHz帯実験免許取得済)の提供、無線線装置の施工・運用・保守の技術的ノウハウの確立などを担当。神戸市水道局はスマートメーター、フィールドトライアル場所など提供し、スマートメーターを活用した水道業務運用方法の検証などに取り組む。

 280MHz帯のLPWAを採用し、工業用水の水道メーターとしてスマートメーターを設置・活用するのは、同トライアルが国内初の事例となるという。トライアルの期間は2017年10月10日〜2018年3月末(予定)。エリアは神戸市長田区、兵庫区、中央区、灘区、東灘区の工業用水提供エリア(スマートメーター設置箇所は同エリア内の工場など)。

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