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» 2017年11月24日 09時00分 公開

エネルギー管理:エネルギー×AI市場、2025年度までに81倍の成長予測

富士経済は、住宅やエネルギーなどの分野でAIを搭載した機器やサービスの国内市場予測を発表した。AI活用による業務・産業向け省エネサービスでは、2025年度の市場規模が2017年度比で81倍に拡大するという。

[松本貴志,スマートジャパン]

オフィスビルや物販、飲食店舗など中小規模施設から普及との予測

 調査会社の富士経済は、住宅やエネルギーなどの分野でAI技術を搭載した機器やサービスの国内市場を調査し、2025年度までの市場予測を発表した。

 今回の調査対象は、機器内に専用のAIチップを搭載し、音声認識やデータ解析などの機械学習や推論機能をもつ住宅、エネルギー分野向けの機器15品目と、クラウドなどのAIプラットフォームで機械学習や推論機能を活用した上記分野向けサービス5品目の市場。

調査対象 出典:富士経済

 AIを活用したエネルギー使用量の見える化、省エネを図るためのデータ分析や運用改善支援などの業務・産業向けサービスにおいて、2017年度では市場規模が1億円になると見込む。2025年度には市場規模が81億円に拡大すると予測し、2017年度比で81倍に成長するという。この予測では、市場はサービス利用に関わる通信費用やシステム維持費用、運用改善コンサルティング費用などのランニングコストのみを勘案し、導入費用などイニシャルコストは対象外としている。

AIを活用した業務・産業向け省エネサービスの国内市場予測 出典:富士経済

 AIを活用した省エネサービスは、設備や稼働状況が近いオフィスビルや物販、飲食店舗など、中小規模の業務施設から普及が始まると予測。同一施設の経年変化や類似施設との比較分析に機械学習を用いることで、専門知識を有するコンサルタントの訪問診断が不要になるなど、サービス提供費用を大幅に削減できる可能性があるという。

 一方、産業施設において2017年時点では、自社工場向けの実証導入にとどまるケースが多いと指摘。これは、生産設備の多様さや生産量、品目の頻繁な変更などが行われるため、AIを活用して学習した運用や省エネ制御のノウハウを他施設に応用することが難しいとする。また、個別施設の運用パターンを学習すること自体が数年を要する作業として、産業向けに汎用サービスとして本格的に商用化されるのは2020年以降で、導入施設も限定的になるとしている。

HEMSや太陽光発電O&MにもAI採用が進む

 また、AI搭載機器やサービス全般の動向として、2025年度の市場規模が2017年度比で、それぞれ68.9倍、169倍になると大幅な成長を予想する。AI搭載機器では、ルームエアコンや住宅用蓄電池などが普及することや、スマートスピーカーやHEMS(Home Energy Management System)の市場投入が進むという。

 また、AI活用サービスの市場動向では、2017年より上述の業務・産業向け省エネサービスや太陽光発電O&Mの一部企業で商用化されているが、多くは開発や実証実験段階にあるとする。AI活用により、競合サービスとの差別化や高付加価値化が訴求できることから、中長期的に住宅・業務・エネルギー分野向けサービスでもAI導入が進むとする。

AI搭載機器、AI活用サービス全体の国内市場予測 出典:富士経済

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