パワーエレクトロニクス最前線 特集

中型の太陽光発電向け、10kVAの壁掛けパワコン太陽光

GSユアサは壁掛けタイプの新型パワーコンディショナーの販売を開始。出力10kVAで、中型の太陽光発電に向くという。

» 2017年12月11日 11時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 GSユアサ(京都市)は中規模の太陽光発電設備に最適な、壁掛けタイプで、出力10kVAのパワーコンディショナー「単相ラインバックαIV」(LBSJ-10-S3C)の販売を開始した。

「単相ラインバックαIV」の外観 出典:GSユアサ

 主回路変換素子にはフルSiC-FET(シリコンと炭素で構成される化合物半導体材料、損失が少ないスイッチングデバイス)を採用し、変換効率96.0%、最大変換効率は業界最高クラスをうたう97.5%を達成している。筐体にアルミダイカスト(溶かしたアルミニウム合金を鋳型に入れ、高圧を掛けて鋳造する方法)を使用した筐体空冷技術を採用したことで冷却ファンレスを実現、ランニングコスト低減に寄与する。塩害が懸念される地域への設置も可能となった。さらに、停電時にも太陽電池で発電した電力を有効に使用することができる単相2線100V、3.0kVAの自立運転出力回路も内蔵している。

 この他、防塵(じん)防水に関する保護等級IP56に対応していることから、太陽光パネル架台への設置など、さまざまな環境下での設置に対応する。冷却ファンを省き、スイッチング周波数を人間の可聴域を超える領域で設計したことにより、51.2dBを達成するなど静粛性能も特徴となっている。専用のネットワークカードを取り付けることで、出力制御要請への対応も可能だ。

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