スマートエネルギーWeek 2018 特集
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» 2018年04月02日 07時00分 公開

太陽光:大規模太陽光向けパワコンは1500Vが主流に! 世界のトレンドが見えてきた (1/2)

大規模太陽光発電所の高電圧化が進んでいる。かつては600Vシステムが一般的だったが、やがて1000Vが主流となり、いまや新設大規模案件の多くが1500V仕様になろうとしている。この動きを加速させているのは、海外のパワコンメーカーだ。「スマートエネルギーWeek2018」で、各社の動向を探った。

[廣町公則,スマートジャパン]

 欧州、米国、中国に本拠を置くパワーコンディショナーメーカー5社が、「スマートエネルギーWeek 2018」(2月28日〜3月2日、東京ビッグサイト)で1500V(ボルト)対応パワコンの新製品を発表した。国内メーカーとしては、2017年4月より東芝三菱電機産業システム(TMEIC)が1500V対応製品を販売しているが、今回のスマートエネルギーWeek 2018では新たな発表を行わなかった。グローバルな実績を持つ海外企業が、日本においても1500Vシステムの導入拡大に意欲を示している格好だ。

 太陽光発電所の高電圧化(1500V化)は発電効率・送電効率の向上に直結する。特に大規模な発電所において、その効果は顕著に表れる。しかし、1500Vシステムを構築するためには、太陽光パネルをはじめ、すべの機器を1500V対応にする必要がある。海外の大規模太陽光発電所では既に1500Vシステムが一般的だが、日本では国内規格に合う1500V仕様機器がなかなかそろわないという状況にあった。中でも、システムの要となるパワコンの1500V仕様が待たれていた。

 今回、スイスのABBとスペインのパワーエレクトロニクスが、集中型パワコンの新製品を実機展示。ドイツのSMAが、同じく集中型の次世代モデルを写真パネルで発表した。そして、ともに中国のファーウェイとサングロウが、分散型の1500Vパワコンを実機でアピール。それぞれに特長ある製品が出そろった。

集中型オールインワンパッケージのSMA

 SMAジャパンが1500V市場に投入するのは、集中型パワコン「MV POWER STATION 2500SC-EV/3000SC-EV」。特別高圧専用の2500kW(キロワット)機と3000kW機の2機種が用意される。いずれも、変圧器やスイッチギアとともに20フィートコンテナに収められたオールインワンパッケージだ。

SMAの1500V集中型パワコン「MV POWER STATION 2500SC-EV/3000SC-EV」

 各機器は事前に配線された状態で出荷されるので、システム始動にかかる時間を大幅に短縮でき、設置コストも抑えられる。サイズは幅6058mm×高さ2591mm×奥行き2438mm、重量は16トン。過酷な環境に耐える堅ろうな設計に加え、各種監視機能と優れた操作性、高い変換効率(3000SC-EV最大変換効率98.7%)が大きな魅力だ。

ABBは4トン車にも積める集中型システムを

 ABBは、1500V集中型パワコン「PVS980」を展示。定格出力1939kW、2036kW、2133kWをラインアップする。同社パワコンの特長は、内部が2系統に別れたモジュール方式で設計されているところ。仮に一方にトラブルが起きても、システム全体がダウンすることはない。98.8%という圧倒的な最大変換効率とあいまって、大規模太陽光発電所の高いパフォーマンスを約束する。

ABBの集中型パワコン「PVS980」はコンパクト設計も魅力

 2MWメガソーラーを1機で制御する大容量パワコンでありながら、3.5トン(幅3180mm×高さ2443mm×奥行き1522mm)と軽量コンパクトに抑えられていることも、用地が限られた日本市場には嬉しい。4トントラックに積載可能なので、林道を通っていくような山間部にも容易に搬入することができる。また、独自の循環式冷却システムの開発により、苛酷な環境下にあってもメンテナンスコストの大幅削減が可能になったという。

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