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» 2018年04月11日 09時00分 公開

自然エネルギー:太陽光をムダなく使い切る、南相馬市で再エネ地産地消プロジェクト

福島県相馬市で再生可能エネルギーの地産地消プロジェクトがスタート。太陽光発電の電力を施設に供給する他、余剰電力を水素製造装置や蓄電池などを活用して、無駄なく使い切るという。

[長町基,スマートジャパン]

 IHIはこのほど、福島県相馬市で太陽光発電を活用したエネルギーの地産地消と、地域振興・発展目指すスマートコミュニティ事業を開始した。

 同事業では、敷地面積5万4000m2(平方メートル)のセンター内に出力1600kW(キロワット)の太陽光発電所を新設し、相馬市下水処理場などに送電。余剰電力を水素の製造や、下水処理場の汚泥を再資源化するための蒸気の製造に活用する実証に取り組む。水素製造装置および貯蔵装置は、日立造船が供給した。

実証で利用する水素製造および貯蔵装置 出典:日立造船

 太陽光発電量の変化に応じて、水電解水素製造装置、蒸気を製造する電気ボイラー、大型蓄電池の充放電量などを制御する地産地消型エネルギーマネジメントシステムも導入。太陽光発電設備からの発電量全量を一般送配電系統へ送ることなく全て地域内で消費することが特長だ。また、同システムは今後予想される分散電源型再生エネルギーの大量導入時にも電力系統安定化に適用できるという。なお、製造・貯蔵した水素はセンター内で将来の水素社会を見据えた水素利用・エネルギーキャリア転換技術研究・実証試験などに使用するという。

実証のイメージ 出典:豊田通商

 加えて、相馬市復興計画で掲げられる“より強固な防災体制”の実現に向け、センター内に国内最大級の出力25kWの燃料電池発電設備を導入。カナダのBallard社製の燃料電池を、豊田通商が供給した。最大で21日分の使用電力量に相当する最大420kWh(キロワット時)の電力を供給でき、災害時拠点となる「復興交流支援センター」に自営線で供給できる仕組みを整えている。

 同市内には航空エンジン・ガスタービン・宇宙機器を製造するIHI相馬第一、第二工場がある。IHIでは相馬工場を続き発展させるとともに、スマートコミュニティ事業と実用化開発を通じて、再生可能エネルギーの地産地消の実現と地域主導の新たな自律事業モデルを創出し、被災地域の復興から地域経済の活力再生に向けた新しいまちづくりへの貢献を目指すとしている。

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