EVの蓄電池と太陽光をまとめて最適化、新しいエネマネ技術エネルギー管理(1/2 ページ)

三菱電機は電気自動車や蓄電池などの蓄電設備と、太陽光発電などの発電設備を組み合わせて管理する新しいエネルギーマネジメントシステムを開発。電気料金単価の変動に連動してEVの充放電スケジュールと太陽光などの発電設備の運転を最適化することで、建物の電力コストを削減できるという。

» 2018年11月01日 09時00分 公開
[スマートジャパン]

 三菱電機は2018年10月、駐車中の電気自動車(EV)や蓄電池などの蓄電設備と、太陽光発電や発電機などの発電設備を組み合わせた需要家向けのエネルギーマネジメント技術を開発したと発表した。今後増加するEVを建物の蓄電池として活用し、電気料金単価の変動に連動してEVの充放電スケジュールと太陽光などの発電設備の運転を最適化することで、建物の電力コストを削減できるという。

 既に1000人規模の工場における電力量の約10分の1に相当するモデルで、EV10台を活用したシミュレーションにより電力コストを1日当たり5%削減できることを確認したとしている。

開発したエネルギーマネジメントシステムの概要 出典:三菱電機

 日本では、産業部門のエネルギー消費が国内のエネルギー消費の約46%を占めており、地球温暖化に対する意識が高まるなか、環境負荷低減のためEVをはじめとする新エネルギー車の普及が加速している。また、中国では政府が2030年に新車販売台数の40%を新エネルギー車とする方針を掲げている。

 近年では、エネルギー利用の効率化のために、増加するEVを活用して、太陽光発電の余剰電力をEVに充電することで、再生可能エネルギーを自家消費したり、電力需要の少ない時間帯に充電しておいたEVの電力をピーク時間帯に放電したりすることで、ピーク電力を削減したりするなど、EVの建物の電源や、負荷としての活用に注目が集まりつつある。

 しかし、従来のEVを活用したエネルギーマネジメント技術では、EVが事前に入力した使用予定どおりに到着・出発することを前提としたモデルだった。この場合、予定外の運行でEVを建物の蓄電池として使用できなくなった場合は、コストが高くても電力系統からの購入電力に頼らざるを得ない。そこで三菱電機は、今後増加すると予想されるEVのバッテリーを建物の電源の一部として活用し、予定外の運行時にも充放電スケジュールを補正することで、建物の電力コストを低減する需要家向けのエネルギーマネジメント技術を開発した。

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