文化庁の「AIと著作権の考え方」を理解するための“3つのポイント” 弁護士が簡潔に解説(2/3 ページ)
2.学習・開発段階は「30条の4」の解釈に注目
「考え方」では、AIと著作権の問題については、学習・開発段階と生成・利用段階に分けて検討することが必要との見解が示されています。学習・開発段階では、さまざまな論点が挙げられていますが、主に、著作権法第30条の4という規定に関する論点に分量が割かれています。
ここでは本当に簡単な説明に留めますが、第30条の4により、著作物は「自ら享受し又は他人に享受させることを目的としない場合」は、必要な限度で、著作者の同意なく利用することができます(この目的を非享受目的といいます)。ただし、著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、利用することができません。
生成AIの学習・開発段階においては、他人の著作物を利用しますが、著作権法第30条の4を根拠として行われることが多いところです。
そこで、非享受目的や、「著作権者の利益を不当に害することとなる場合」について、考え方の整理が行われています。この点は、いろいろな解釈・見解があり得、今回の意見募集でもさまざまな意見が提出されています。例えば「考え方」では「著作権者の利益を不当に害することとなる場合」について、以下の3点が挙げられています。
(1)AI学習のための著作物の複製等を防止する技術的な措置が講じられていること
(2)当該Webサイト内のデータを含み、情報解析に活用できる形で整理したデータベースの著作物が将来販売される予定があることが推認されること
(3)(1)の措置を回避して行うAI学習のための複製などであること、
これらを満たした場合、法第30条の4但書にあたる(≒AI学習のための複製などが行えない)との見解が示されました。
この点について、(2)のような将来的な販売の予定が「利益を不当に害する」といえないのではないか、という意見もあり得るでしょうし、逆にもっと広く「不当に害する」の範囲を認めるべきだ、という意見もあり得るでしょう。
この他、いわゆる「LoRA」(AIモデルに数枚の写真を追加的に学習させることで画像を特定の絵柄に寄せる技術)に関する論点や、学習段階で著作権侵害があった際に学習用データセットからの除去や学習済みモデルの廃棄請求が可能か、との論点についても、考え方が示されています。
(関連記事:女性声優の“存在しない”水着画像をAIで作成、販売……法的に問題ないの? 弁護士に聞いた)
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