画像素材サイト「PIXTA」などを運営するピクスタは4月8日、PIXTAの画像素材を生成AIの学習用素材として販売すると発表した。同社は「生成AIの学習用素材へのニーズの激増傾向を考慮した」と説明。専用フォームから問い合わせすれば除外できるが、しない場合は事前説明などなく生成AIの学習用素材として提供される可能性がある。
学習用素材化の対象になるのは「2024年4月22日の時点で定額制で販売中の写真・イラスト・動画(オプトアウトしたものを除く)および素材に付随するメタデータ」としている。
学習用素材としての提供を避けたい場合は、専用フォームから連絡することで対象から除外できる。返信期日は4月22日までで、その後フォームは封鎖する予定。22日以降に除外を希望する場合は問い合わせフォームから連絡してほしいとしている。
連絡がない場合、事前説明なしに学習用素材として提供されることがある。提供があった場合、PIXTA内で現金と交換できる「獲得クレジット」を報酬として付与するという。
PIXTAはこれまで、クリエイターが提供した画像素材を顔認証などの画像認識AIへの学習用データとしても提供してきた。一方、生成AIの学習データとしての提供には慎重な姿勢を見せ、画像素材の提供はしていなかった。しかし昨今、生成AIの学習用素材として、PIXTAの画像素材を活用したいという問い合わせが増加傾向にあることから、方針を変えたという。
「生成AIの普及によりコンテンツを取り巻く環境が激変する中で、生成AIを含む機械学習用データセットのライセンスは、今後PIXTAでの大きな収益の柱の一つになってくることが見込まれます。国内外においてAI開発のルールやAIと著作権に関する考え方が整理されつつある中で、クリエイターの皆様におかれましては、このような未来のコンテンツ利用の一つのありようにご理解をいただければ誠に幸いでございます。」(同社、原文ママ)
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