デジタル庁は5月29日、ChatGPTなどのテキスト生成AIサービス利用時のリスクや、その対策などをまとめたガイドブックを公開した。「テキスト生成AIを活用した政府情報システムの開発者」や「業務改善に従事する関係者」などを対象にしたもの。内容は、テキスト生成AIの提供形態と利活用方法で分類しており、全59ページに及ぶ。
例えば「新サービス企画時のテキスト生成AI固有の留意」や「予算要求前時のテキスト生成AI固有の留意点」「設計・開発時のテキスト生成AI固有の留意点 」など、企画や予算の策定からサービス設計時の注意点まで記載。チャットbotや情報検索サービスなどでテキスト生成AIを使うユースケースなどを想定した内容になっている。
デジタル庁などの関係省庁では2023年12月から、生成AIの業務利用に関する技術検証を進めており、今回のガイドブックもその検証結果を踏まえたものになる。なお今回公開したものはα版。デジタル庁は「現時点では、α版のため内容に不十分な点があるが、生成AI利活用時のリスクや対策に関する議論の参考にしてほしい」と案内している。
今後も定期的に内容の拡充・改善を行い、正式版の公開を目指す。
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