「我が社もAI PC」の前に 知っておくべきオンデバイスAI実行環境の基礎知識(1/3 ページ)
生成AIの企業利用でいま注目されているのが「ローカルで生成AIを実行できる環境」だ。米OpenAIの「ChatGPT」や米Googleの「Gemini」のような生成AIサービスを利用する場合、テキストや画像といった入力情報を社外へ送信することになる。これに対し、企業によってはセキュリティポリシーなどの観点で対応が難しいため、特に機微な情報を扱うシーンでは自社内で実行環境を完結したいというニーズが生まれるわけだ。
そうしたローカルの実行環境は、大きくサーバとデバイス(PCやスマホ)の2種類に分けられる。サーバは前述のセキュリティ観点での意義が大きい。PCはそれに加え、従業員の手元の実行環境となるために、従来のPCに比べて業務効率化への期待もかけられている。
特に2024年は米Intelと米AMDがAI処理用の演算装置「NPU」(ニューラル・プロセッシング・ユニット)を搭載したプロセッサを打ち出し、そのプロセッサを載せたマシンをMicrosoftとともに「AI PC」として打ち出している他、MicrosoftはAI PCの中でも一定以上の計算性能を持ち合わせたものを「Copilot+ PC」ブランドで展開を始めている。
ハードウェアベンダーとしてはNPUで攻勢をかけている状況だが、デバイス内で動く「オンデバイスAI」を実行するに当たってはソフトウェア側の整備も不可欠だ。もちろんハードウェア側もNPUだけが選択肢なわけではない。この記事では、これらの状況を大まかに整理したい。
NPUの前に「GPU」のおさらい AI処理のデファクトスタンダード
生成AIブームの中、かつて“謎の半導体メーカー”とも称された米NVIDIAの株価がうなぎ登りに上がったのは周知の事実だろう。株価高騰の主な理由は、生成AIに求められる巨大な計算資源として、同社のGPU(グラフィカル・プロセッシング・ユニット)が事実上不可欠だからだ。
生成AIに限らず、ニューラルネットワークをベースとするAI処理には足し算と掛け算が並列で多数発生する。GPUは名前が示す通り、本来は映像処理のための計算装置だったが、映像処理も並列計算であるためAIを含む並列計算に転用されるようになった。スーパーコンピュータの性能ランキングである「Top500」でもランクインしている多くのマシンがGPUを搭載しているほど、GPUは計算資源として重要視されている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia AI+に関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
今、最も使われているプログラミング言語は? AIコーディングでPython超えて急成長
-
2
「禁止」するだけでは防げない? パナソニックグループで約33万人分の個人情報が外部生成AIに
-
3
20年前は“門前払い”? デル社長が語る、日本企業の今昔 「IT後進国」から抜け出せたのか
-
4
「AIデータセンター」どこに作る? 工場跡地、廃校、洋上、宇宙――ユニークな立地戦略の狙いは
-
5
「ダウンロードフォルダでAIを使わないで」――セキュリティ企業が注意喚起 エージェントが攻撃者の指示に従いマルウェアインストールの恐れ
-
6
AI半導体市場「メガサイクル局面だ」 アドバンテスト好決算、CEOが語る「CPU」「光電融合」への期待とワクワク
-
7
京都府庁、職員7000人の事務効率化で「Copilotだけに頼らない」と決めた理由
-
8
ロボット実機で実践的に学べる、リョーサン菱洋「フィジカルAI入門パッケージ」
-
9
KDDI傘下、社内のAI活用事例113件を無料公開 「Gemini Notebook」で稟議データのチェック支援も
-
10
「AI開発、“外注”しても大丈夫?」──丸投げで失敗するケースも 絶対に「手放してはいけないもの」とは
SpecialPR
ITmedia AI+ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmedia AI+をフォロー
あなたにおすすめの記事PR