Webマーケティング事業などを手掛けるZenken(新宿区)は11月26日、米OpenAIの法人向け生成AIチャットサービス「ChatGPT Enterprise」を全社員(約400人)に導入したと発表した。OpenAIにも確認したところ、同サービスの全社導入は国内企業では初という。
同社は1月から一部の社員に向けChatGPT Enterpriseを先行導入し、Webマーケティング事業の制作プロセスの改善や調査業務の工数削減に適用。営業でもリード獲得や提案内容の高度化、人材育成で一定の効果を確認できたことなどから、全社導入を決めた。
他の法人向けAIチャットもある中、ChatGPT Enterpriseを選んだのは「機能面での優れたバランスと、セキュリティ要件を満たしていたため」(Zenken)という。今後、同サービスの利用を通じて社員のワークエンゲージメントや創造力の向上に取り組むことで、既存人材の育成や優秀な人材の新規獲得につなげる。
ChatGPT Enterpriseの利点として、推論能力に優れた「OpenAI o1」(o1-preview/mini)を業務利用できることにもメリットを感じているという。
「o1を活用することで、膨大なテキストデータの分析や複雑な推論、コーディング能力が大幅に向上しました。これにより、従来のGPT-4系では『浅い』と感じていた部分や『かゆいところに手が届かない』といった課題が解消され、出力される内容に深みを感じられるようになりました。
Chain of Thought(思考の連鎖)をo1自身で実行することによってユーザーの意図を汲み取りながら自ら考えることが可能となったことで、課題解決や戦略立案などにおいて大きな効果を発揮しています。
今後、ビジネスにおけるこの能力がさらなる影響を与えることを大いに期待しています。しかし、まだ出て間もないモデルですので更に有効活用する方法を引き続き開発していきたいと考えております」(Zenken)
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