東京ビッグサイトで1月22日〜24日まで開催されているロボット技術の展示会「ロボ デックス」で、TechShare(東京都江東区)が出展していたのが、中国Unitree Robotics製の最新型ヒューマノイドロボット「G1」だ。
等身大の二足歩行ロボット自体はこれまでにも複数存在しているが、G1最大の特徴は価格にあるという。ヒューマノイドロボットといえば、これまで1台あたり数千万円から1億円に及ぶケースも珍しくなかったが、G1のエントリーモデルは300万円台という導入しやすい価格帯を実現している。
エントリーモデルはいわゆるラジコンに近い。姿勢制御は自動だが、歩く方向や上半身の操作は遠隔で行う。この他、自律制御を研究する開発者向けに、追加センサーやAIモジュール、あるいは高出力モーターなどを拡張できる「研究開発向けモデル」も用意されている。こちらは600万〜900万円前後となる。
遠隔操作がメインとはいえ、300万円台という低価格帯のヒューマノイドが登場することは、大学や研究所、スタートアップ企業など、これまで高コストがネックだった層でも、二足歩行ロボを使った本格的な実験や試作を進めやすくなる。今後もコストダウンや量産化が進む見込みといい、導入の裾野が広がる可能性がある。
ブースでは、TechShareのスタッフがリモコンを用いてG1を前後左右に動かしてみせた。二足歩行ロボットはわずかな重心のズレで転倒につながる恐れがあるが、G1は比較的スムーズにバランスを取りながら移動し、特別な支えや吊り下げ装置もない状態で自立していた。
さらに、ロボットが立ち止まったまま上半身を動かし、来場者の差し出す手と“握手”する場面も披露された。
手先を人間と接触させる行為は、安全性や力加減など多くの配慮が必要になるが、大きなトラブルもなく実演が行われた。二足歩行の安定性と手先の動作を組み合わせる技術の成熟ぶりが会場の関心を集めていた。
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