米OpenAIは1月31日(現地時間)、昨年12月に発表した推論AIモデル「o3」の軽量版「o3-mini」をリリースしたと発表した。ChatGPTとAPIで同日から利用できる。
昨年9月にリリースした「o1-mini」の低コストと低レイテンシを維持しつつ、科学、数学、コーディングに特に優れた機能を提供し、小規模モデルが達成できる限界を押し上げるとしている。
ChatGPTのGov以外のプランで利用可能になる見込みだ。Plus、Team、Proプランでは同日から、Enterpriseプランでは1週間後に利用可能になる。これらのプランでは、モデル選択画面でo3-miniとo3-mini-highを選択できる(o1-miniは提供終了)。Proプランでは無制限に使えるが、PlusとTeamプランでは、1日当たり150メッセージまでというレート制限がある(o1-miniより3倍利用できるようになった)。また、GPT-4oと同様にWebにアクセスして回答を見つける。
推論モデルは、結果を出す前に事実確認などに時間を使う。時間はかかるが、物理学などの分野での回答の信頼性が高くなる。GPT-4oなどではほとんど瞬時に回答が表示されるが、o3-miniでは単純な質問でも1秒以上「Reasoning」(推論中)と表示されてから回答が表示される。
ChatGPTのo3-miniの推論能力は中程度に設定されている。選択メニューにある「o3-mini-high」はさらに応答が遅くなるが、より高度な推論が可能になる。
無料プランでもo3-miniを使えるが、選択プランには表示されず、メッセージ入力欄に新たに表示されるようになった「Reason」をクリックすることで使える。
ChatGPTの無料プランで推論モデルが使えるのはこれが初めてだ。
APIでの提供の価格は、キャッシュされた入力トークン100万当たり0.55ドル、出力トークン100万当たり4.40ドルと、o1-miniより安く、「DeepSeek」のR1と競合する。
OpenAIの公式ブログには同社の他のLLMとのベンチマーク比較などが紹介されている。
また、安全性については、o1と同様にユーザーの質問に答える前に、人間が作成した安全性仕様について推論するようにモデルをトレーニングしており、困難な安全性と脱獄の評価においてGPT-4oを大幅に上回っているとしている。
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