人間のカウンセラーよりも、AIカウンセラーが人気に──AIを活用したカウンセリングサービスを手掛けるZIAI(東京都渋谷区)は3月25日、小中学生を対象にした実証実験の結果を発表した。AIカウンセラーを利用した児童生徒の満足度は、9割超を記録。相談件数も、人間のカウンセラーよりも10倍以上多かったとしている。
ZIAIでは、AIにチャット形式で悩みを相談できるサービス「悩みチャット相談システム」を展開している。今回の実証実験では、千葉県柏市内のパイロット校に通う小学5年生〜中学3年生に同サービスを開放。2024年10月21日〜25年2月10日の間、24時間いつでもサービスを使えるようにしたという。
実験の結果、児童生徒の満足度は93.6%に到達した。総相談時間は275.4時間、会話の総ターン数は3758回で、1回の相談当たり平均9ターンのやりとりがあったという。また柏市では、もともと「GIGAスクール構想」で配布したタブレットやスマートフォンを通じ、平日午前8時〜午後10時まで外部カウンセラーに相談できる仕組みを整えていたが、AIへの相談件数はその10倍以上だったとしている。
AIに相談した児童生徒からは「先生や家族に言えないことも、AIになら簡単に言える」「相談しても、誰にもばらさないから」「人相手よりも自分の気持ちを素直に伝えられた」「どんなお話でも、お悩みでも、最後までしっかりと聞いてくれて、親しみやすくて、時には解決してくれるから!!」(原文ママ)などの感想が寄せられたという。
これを受け、ZIAIは「テクノロジーが子どもたちの声なき声を拾い上げる可能性を示している」と説明する。一方「AIは先生やカウンセラーに取って代わるものではなく、あくまで初期接点として機能し、必要に応じて適切な支援へとつなげる役割を果たす可能性を示している」とも指摘。今後、実証結果をもとにAIアルゴリズムやシステムの改善などを進める方針だ。
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