米Amazonは3月31日(現地時間)、Webブラウザ内でのアクション実行に特化した新AIモデル「Amazon Nova Act」と、その機能を活用するための「Amazon Nova Act SDK」の研究プレビュー版を公開したと発表した。
これにより、開発者はWebブラウザ上でのタスクを自動化する「エージェント」の構築が可能になる。
Amazonは、エージェントをユーザーに代わってデジタルおよび物理環境でタスクを完了し、行動できるシステムと捉えている。しかし、現行のエージェント技術はまだ初期段階であり、APIが完全にカバーするユースケースに限定されることが多いという課題があるとしている。
同社は、より広範囲にわたる複雑なマルチステップタスクを自律的に実行できるエージェントの実現を目指しており、Amazon Nova Actはその第一歩という。
新SDKの研究プレビューは、米国在住のAmazon.comアカウントを持つユーザーであれば、Novaの専用Webサイト「nova.amazon.com」で試すことができる。
このSDKで、例えばWebブラウザ内でのタスク(社内システムでの休暇申請、カレンダーへの予定登録など)を実行するエージェントを構築できるという。
Amazon Nova Actはまだ初期段階にあるが、「Alexa+」で統合されたサービスだけでは対応できないタスクを、ユーザーに代わって自律的にインターネットをナビゲートして完了するために活用されているという。その例として、毎週火曜日の夕食のためにサラダを自動で注文するエージェントをバックグラウンドで実行する例を紹介した。
Amazon Nova Actは、同社が昨年12月に発表した基盤モデルファミリー「Amazon Nova」に属す。この他、マルチモーダルからテキストを生成する3つのモデル「Nova Micro」「Nova Lite」「Nova Pro」と、テキストと画像から画像を生成するモデル「Nova Canvas」、動画を生成する「Nova Reel」がある。
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