米xAIは8月28日(現地時間)、新たなAIモデル「Grok Code Fast 1」を発表した。高速で経済的な推論モデルで、AIが自律的にコーディング関連タスクを実行する「エージェンティックコーディング」に優れているという。
推論やツール呼び出しのループが従来のモデルでは遅く感じられ、エージェンティックコーディングワークフローには不向きであると感じていたxAIのエンジニアが、Grok Code Fast 1をゼロから構築したという。
Grok Code Fast 1は、推論とスーパーコンピューティングのチームによって開発された技術により、“Blazing fast”(驚異的な速度)を実現しているという。モデルが思考トレースの最初の段落を読み終える前に、すでに多数のツールを呼び出すほどの応答性を提供する。また、プロンプトキャッシュの最適化にも注力し、GitHub Copilotなどのローンチパートナーとの連携では90%以上のキャッシュヒット率を達成している。特にTypeScript、Python、Java、Rust、C++、Goでの開発で能力を発揮する。
利用価格は、100万入力トークン当たり0.20ドル、100万出力トークン当たり1.50ドル、100万キャッシュ入力トークン当たり0.02ドルで提供される。
GitHub Copilot(Pro/Pro+/Business/Enterprise 向け)では、8月26日から Visual Studio Code上でのオプトインパブリックプレビューとして利用可能で、無料期間は太平洋夏時間9月2日午後2時までだ。
米OpenAIや米Microsoft、米Googleなどの競合他社もAIコーディングアシスタントの提供に注力しており、Microsoftは5月にGitHub Copilotのコーディングエージェント機能を導入し、OpenAIは6月にChatGPT Plusユーザー向けにCodexを提供し、Googleは8月に非同期コーディングエージェント「Jules」の公式版の提供を開始している。
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