小林啓倫のエマージング・テクノロジー論考
スマホの次は“身に着けるAI”の時代到来か 「ウェアラブルAI」続々登場 企業はどう向き合う?(1/4 ページ)
2023年末、とある小さな製品が大きな注目を集めた。その名は「AI Pin」。開発したのは元Appleのエンジニア2人が創業した米国企業Humaneで、そうした文脈からか「ポスト・スマートフォンの座を狙えるデバイス」との評価もなされている。
AI Pinはいわゆるウェアラブルデバイスで、本体とバッテリーの2つの部品から成り、マグネットで合体するようになっている。その間に衣服を挟むなどすることで「ウェアラブル」になっている仕組みであり、それ故にピンという名前が与えられているのだろう。
それでは「AI」の部分はどうかというと、Humaneが米OpenAIと米Microsoftとの提携を発表していることから、エンジンにはGPT-4が使われているとみられる。AI Pinにはカメラやマイクロフォン、各種センサー類を搭載し、これで周囲の状況やユーザーからのコマンドを把握。各種情報の検索や音楽の再生、翻訳といったタスクを実行できるようになっている。
既にITmediaでもニュースやレビュー記事を掲載しているのでご確認いただきたいが、ポスト・スマートフォンと称されるのも納得だろう。もちろん動画閲覧など大きなスクリーンが必要なタスクには使えないが、瞬時に情報が知りたいときなどに、いちいちスマホをポケットから取り出さなくても済むというのは魅力的だ。
「ウェアラブルAI」続々登場
このところ他のメーカーも、AI Pinに似た製品を続々と発表している。例えば、OpenAIのサム・アルトマンCEOなどが出資しているAIスタートアップの英Limitless AIは「Limitless Pendant」というAIデバイスを提供している。
こちらもAIを搭載しており、マイクから音声を拾って会議を要約したり、ボイスメモのようにユーザーの声を記録したり、ユーザーのスケジュール管理ソフトウェアと連携してリマインダーの役割をしたりといった使い方が想定されている。
同社の共同創業者であるダン・シロカーさんは、米Googleでプロダクトマネジャーを務めたこともある人物で、米AppleやGoogleの卒業生たちがポスト・スマートフォン時代のデバイス争いに参入しているというわけだ。
こうした高性能のウェアラブルデバイスは、これまでもさまざまな形で構想されたり、製品化が進められたりしてきたが、最近ではAIに焦点を当てる形で「ウェアラブルAI」という呼称も登場している。
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小林啓倫のエマージング・テクノロジー論考
生成AIやメタバース、新たなサイバー攻撃など、テクノロジーの進化が止まらない。少しずつ生活の中に浸透し、その恩恵を預かれることもある一方、思いもよらない問題を生み出すこともある。このコーナーでは、さまざまな分野の新興技術「エマージング・テクノロジー」について、小林啓倫氏が解説する。
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