2007年を振り返るBiz.IDセブン──房野麻子

2007年に実際に活用できた、手帳やデジタルグッズ、書籍、そして仕事術を振り返ってもらう年末年始企画。今回は平本相武先生の記事のほか、携帯電話関連記事でお馴染みの房野麻子さんに振り返ってもらいます。

[房野麻子，ITmedia]

　決して仕事が速いとはいえず、日々、Biz.IDを参考にして仕事術を学ぼうと努めている私であるので、“使えるツール”を自分で見つけることはできなかった。今回お勧めするのは、元々「私がお勧めされたもの」である。

2007年、お金を払ったグッズについて教えてください

　2008年に向けて、つい最近も購入したのが、高橋書店の手帳「リシェル3」だ（1418円）。私は評論家の日垣隆氏が発行しているメルマガ「ガッキィファイター」を愛読しており、そこで勧められていたので2007年から使い始めた（手帳選び記事も参照）。

　見開き1週間のバーティカルタイプで、私のスケジュールは、今はこれでほぼ完全に管理されている。使い方はごく普通だと思うが、タイム目盛に合わせて取材や打ち合わせの予定を記入し、原稿の〆切は下のメモ欄に記入することにしている。メモ欄に“大モノ”の記入があったら、取材や打ち合わせを入れるのは控え目にする。

　月別インデックスで目当てのページを開きやすいのに加え、紐しおりが2本ついているのが気に入っている。1本は現在のスケジュールページに、もう1本はメモ帳ページの最後の書き込みがあるページに使うようにしている。記入したいときに、サッと開けるのが快感だ。

　使い勝手で気に入らないところはないのだが、カバーが決まっていることが残念だ。渋いモスグリーンは嫌いな色ではないが、選べるなら別の色にしたい。また、この手帳に変える前は、牛革の手帳を使っていた。本物の革の手触り、味わいが懐かしくなることがある。さらに、別冊のアドレスノートは、ほとんど使っていない。はっきりいって私には必要なかった。

　もう1つ、最近購入したグッズがある。携帯電話の「N905i」だ。仕事柄、高機能なモデルを選んでいるのだが、今期のドコモはどれにしようか本当に迷った。ニューロポインタに惹かれて購入し、おおむね満足している。先日のFIFAクラブワールドカップでは、さっそくワンセグが活躍してくれた。また、ダウンロードスピードが速くなっているので、Gmailを確認するときもイライラすることがなくなった（ちなみに、今年からGmailモバイルでPCメールを確認するようになったので、それまでお金を払って利用していた「リモートメール」は解約してしまった）。

　ただ、スケジュール機能だけは、それまで使っていた「D903i」に軍配。待受画面にスケジュールを表示させて常に確認できるので、家賃の振り込みといったうっかりしそうな予定を忘れることがなかった。携帯電話でスケジュール管理をしている人が多くなっているようだが、DシリーズとFシリーズのスケジュール機能はお勧めだ。

2007年に読んだ本で、お勧めのものを教えてください

　フリーライターになって毎日の通勤がなくなってから読書量は大幅に減ったが、『アレクサンドリア四重奏I〜IV』（ロレンス・ダレル著　河出書房新社刊）は、楽しんで読んだ小説だ。評論家・翻訳家・シンクタンク研究員である山形浩生氏の書評でその存在を知り、読み始めた。

　氏のサイトでも書評を読めるので、私から言うことは特にない。ただ、最近の映画やテレビドラマに蔓延している、甘ったるい感動系恋愛物語にうんざりしている方には、強くお勧めできる。また、たまにはビジネス書以外のものを読みたいなあ、と思った方にも、このくらい手応えのあるものがいいのではないだろうか。

2007年に実行した“仕事術”で、うまくいったものは？

　仕事術を1つでもマスターしていれば、こんなに編集者の皆様方を困らせることはなかったであろうが、そんな私でも、心がけるようになって精神衛生上、良かったことがある。それは、何かの依頼、質問のメールには、その場ですぐに返事を書くということだ。よく考えてから、とか、ちゃんと調べてから──といって後回しにすると、〆切なんかと重なって非常に辛い目にあったり、内容がかえってテキトーになって後ろめたい思いをする。これも確か、日垣氏のメルマガで仕入れた仕事術だ。

　Biz.IDでお世話になっている平本相武先生から教わった仕事術としては、リ・スケジュールを使わせていただいている。何かの用事で予定をこなせなくなったら、その場ですぐに、もう一度スケジューリングする、というものだ。しかし私の場合、原稿執筆のリ・スケジュールを延々と繰り返しており、真価を発揮していない。仕事術というより、予定をしっかりこなす集中力が私には必要だと分かった次第だ。