メーカーごとの個性はあるが、標準的なインストールの流れは次のようになる。
勘定科目、補助科目、青色申告科目設定に関しては少し詳しく説明する必要があるだろう。
例えば現金で3千円払って、マウスを購入したとしよう。経理上、10万円以下の備品は消耗品という勘定科目になる。払った3千円は現金という勘定科目だ。タクシーに乗って現金を710円支払った場合、タクシー代は旅費交通費という勘定科目になる。携帯電話の使用料1万円を銀行から引き落としされた場合は、使用料は通信費となり、1万円は普通預金となる。ようするに大きなカテゴリーが勘定科目と理解しよう。
標準的な勘定科目はどのソフトも事前に用意している。だが、業種ごとに独自の勘定科目を設定した方が望ましい場合もある。例えば個人タクシーの運転手にとって燃料費(LPガスもしくはガソリン代)は旅費交通費ではないだろう。グルメライターが1人で食べ歩く時の食事代を、接待交際費や会議費で処理するのは不自然だ。筆者の場合も取材費という項目を作成している。それぞれの仕事内容に合わせ、独自のカテゴリーを新設するのが勘定科目の設定だ。
補助科目は勘定科目のサブカテゴリーとなる。個人事業主の場合、事業と家事で費用を案分するケースがある。自宅で仕事をする場合、電気代は4割仕事用だがガス代は1割とか、通信費の中で携帯電話は9割仕事だが、自宅の電話は半分が仕事用と案分する。勘定科目の水道光熱費に補助科目として電気代、ガス代を設定し、補助科目ごとに比率を入れれば、決算時に自動的に事業にかかった分だけ経費として計算してくれる。銀行口座を複数使用する場合は、勘定科目の普通預金の下に補助科目として○○銀行、△△銀行を登録する。
青色申告科目設定は、確定申告で提出する損益計算書に表記する項目の設定だ。例えば勘定科目で設定した「取材費」を「その他経費」や「雑費」と一緒にしないで、独立した「取材費」として印刷するために、項目を新設するものだ。
勘定科目、補助科目、青色申告科目設定の3つは、自分自身だけでなく税務署の人にも見やすく、分かりやすくするための工夫である。HDDのフォルダ分けをキッチリしないとファイルが見つけられないのと同じだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.