第6回 助けてあげなよ
涙をこぼしながら、もう20社も断られたんです。話を聞いてくれるだけでもうれしい。本当にありがとうございますって
むやみな飛び込みは効率が悪く、クオーターが20社目で話を聞いてもらえたのは、本当に運が良かったと言えます。飛び込みしては断られということを続けていても、時間をムダに使っているだけで、営業として仕事をしているとは言えません。しかし……。
そもそも法人営業が怖くてできないと言っていたクオーターがなぜこんな無謀なことをしたのかがポイントなのです。
それは第7回、第8回で明らかになりますが、営業所長である和人に全幅の信頼をおき、翌月以降も一緒に仕事をしたいという気持ちが強かったからです。また、みんなに貢献しようという気持ちがあったからです。人間同士の信頼関係や熱意は、ときにこのような奇跡を起こしてくれます。
第6回 助けてあげなよ
「資料はすごく分かりやすいんですよ。ところが肝心なところは書いてない」
和人が持たせた資料だった。ほとんどが絵である。資料に全部書いてあると、相手は読んでしまって終わり。話を聞いてくれない。肝心なところは口で説明しなさい。
アプローチするための資料には説明文を書かず、写真や絵、グラフなどを書くべきだということは、すでに説明しました。プレゼンテーションの資料にも応用できます。セミナーなどでも、我々は、回答を( )にしたり、余白を大きく取ったりします。
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