平本 次に、未来にいきます。このままチェンジしなかったら、どんなひどい未来が待っているかを想像してください。ダイエットせずに、どんどん食べて、ぶくぶく太って、運動せずにいたら、1年後、3年後、5年後、どうなっているでしょうか。ずっとダイエットをしよう、しようとは言っているけれど、食べて運動せず、そのうち体重計にも乗らないようになり、洋服のサイズが大きくなって……
房野 洋服のサイズが合わなくなるのが一番嫌ですね。大きなサイズを買わなきゃいけないので、楽しくないんですよ。
平本 どんどん太っていくから、ゆったりサイズになる……。
房野 そうですね。だらしない雰囲気になります。洋服を素敵に着こなせないのは嫌ですね。
平本 素敵な洋服が着られなくなって、いつもジャージ姿になって、その姿を人に見られるのが嫌で外に出ないようになり、人に会わないようになって、仕事は電話やメールで済ませるようになって……
房野 地味で暗い生活ですね。でも、その前に夫から不評を買うでしょうね。
平本 それでも夫の言うことはなるべく聞かないようになって、会話もしないようになってくる。ところが、やっぱり買い物には行かなくてはいけない。街角のウィンドウを見たら、「うわ〜、すごいみっともない人がガラスに映っている」と。よく見たら、自分だった!
房野 悲しすぎます……でも、あり得なくはないですね。
平本 夜の付き合いを断りきれず、誘われるたびに行っていたら、3カ月後、半年後、1年後どうなっていると思いますか?
豊島 やろうとしていることが全くできていない自分が腹立たしくて、停滞している自分にがっくりするというか、あきれますね。自分で自分にムカつきます。
平本 ものすごくムカついたとして、最悪、どんなストレス解消をしますか? 食べる、ものを壊す、人に当たる、愚痴を言うといったことはしますか?
豊島 買い物をしちゃいます。衝動買いですね。大したものではないと思いますが、輸入雑貨屋などでパッと見て気に入った小物をポンポン買います。
平本 もっとムシャクシャしたら?
豊島 高額な小物に手を出すかもしれないですね。
平本 では、職場の人間関係がどんどん疎遠になって、薄くなっていったとしたらどうなりますか? 隣にいてもほとんどしゃべらず、あいさつもしなくなったとしたら?
豊島 居たたまれないですね。仕事にならないし、出社するのが苦痛になるでしょうね。それがひどくなると、勤め先の最寄り駅までは行けるのに、改札を通って出口への階段を上がると急にお腹が痛くなって、欠勤や家での作業を断る電話を会社に入れる――ということに、ひょっとしたらなるかもしれません。過去に実際そういう仕事仲間がいました。
平本 原さんが今以上に自信がなくなると、どうなりますか?
原 顔色が悪くなってきて、姿勢も前かがみになって、そうすると会社の人との関係もだんだん悪くなってきます。そんな状態でプレゼンをしたら、「何、コイツ」みたいな目で見られて、嫌な雰囲気になって、もう2度とプレゼンができない気持ちになると思います。
以上のように、このままチェンジしなかったら、未来はどんなにひどいことになるか、できるだけ具体的なエピソードを想像してみてください。
次回は、次のステップ「達成した時のイメージ」に移ります。
ピークパフォーマンス 代表取締役
平本あきお(ひらもと あきお)
1965年神戸生まれ。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了(専門は臨床心理)。アドラースクール・オブ・プロフェッショナルサイコロジー(シカゴ/米国)カウンセリング心理学修士課程修了。人の中に眠っている潜在能力を短時間で最大限に引き出す独自の方法論を平本メソッドとして体系化。人生を大きく変えるインパクトを持つとして、アスリート、アーチスト、エグゼクティブ、ビジネスパーソン、学生など幅広い層から圧倒的な支持を集めている。最新著書は、『すぐやる! すぐやめる!技術 ― 「先延ばし」と「プチ挫折」を100%撃退するメンタルトレーニング』。コミュニケーションやピークパフォーマンスに関するセミナーはこちらから。
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